トップページ写真 アルバム*花 ―― 検索用一覧表 






   

○ 「トップページ写真 アルバム*花」(「アルバム トップページ写真」)は 、過去に文教研HPトップページのカットとして用いた花の写真(および、花と関連のある俳句)を集めたものです。3か月分を各1ページとしています(右表参照)。

○ この一覧表は、アルバム全体から花の名前を検索しやすくすることを主な目的としています。画像を除外(容量の都合)していますが、 「各年①~④」 をクリックすることにより、アルバムのそれぞれのページを開くことができます。

○ 検索するには、「Ctrlキー」と「Fキー」 を同時に押して表示される検索窓に、目的の花の名前を入力してください。なお、〈 〉で括ったカタカナの花の名前は検索用です。(俳人の名前をキイワードとして、取りあげた例句を検索することもできます。)


○ 取りあげた花の種類、および俳句には、相当数の重複があります。

○ 例句の用字法、仮名遣い等は、原則として引用元のそれに従い、特に全体的な統一をとってはいません。

○ 一覧表の時間軸の方向は、下→上:左→右 となっています。

 

2005①(1-3月)  2005②(4-6月)  2005③(7-9月)  2005④(10-12月)

2006①(1-3月)  2006②(4-6月)  2006③(7-9月)  2006④(10-12月)

2007①(1-3月)  2007②(4-6月)  2007③(7-9月)  2007④(10-12月)

2008①(1-3月)  2008②(4-6月)  2008③(7-9月)  2008④(10-12月)

2009①(1-3月)  2009②(4-6月)  2009③(7-9月)  2009④(10-12月)

2010①(1-3月)  2010②(4-6月)  2010③(7-9月)  2010④(10-12月)

2011①(1-3月)  2011②(4-6月)  2011③(7-9月)  2011④(10-12月)

2012①(1-3月)  2012②(4-6月)  2012③(7-9月)  2012④(10-12月)

2013①(1-3月)  2013②(4-6月)  2013③(7-9月)  2013④(10-12月)

2014①(1-3月)  2014②(4-6月)  2014③(7-9月)  2014④(10-12月)

2015①(1-3月)  2015②(4-6月)  2015③(7-9月)  2015④(10-12月)

2016①(1-3月)  2016②(4-6月)  2016③(7-9月)  2016④(10-12月)

2017①(1-3月)  2017②(4-6月)    2017③(7-9月)    2017④(10-12月)



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 2017③(7-9月)  2017④(10-12月)
コスモス、秋桜 〈コスモス、アキザクラ〉 南洋桜 〈ナンヨウザクラ〉
コスモスを離れし風のやはらかし(山崎赤秋)
廃校の下駄箱ばけつ秋桜(辻 貨物船)
酔芙蓉 〈スイフヨウ〉 薔薇 〈バラ〉
酔芙蓉紅白まじる午後一時(三木その子)
煩悩のいろほのと泛(う)く酔芙蓉(柴田雪路)
薔薇園に闇とこしへのもぐら穴(鷹羽狩行〉
言ひ難き思ひ出もあり薔薇の刺(加藤奈那)
萩 〈ハギ〉 苺の木 〈イチゴノキ〉
すゞめ来て萩をゆするや秋祭(久保田万太郎)
寝たる萩や容顔無礼花の顔(松尾芭蕉)
冬晴れに花も実もある苺の木(ブログより) 
野牡丹 〈ノボタン〉 千両 〈センリョウ、ミセンリョウ〉
野牡丹の人恋しさの色を濃く(上林孝子)
野牡丹の色を栞りし夕べかな(稲畑汀子)
裏木戸に鳥の植ゑたる実千両(辻 直美)
恙なき日々ありがたし実千両(西氏宣子)
朝顔 〈アサガオ〉 野紺菊 〈ノコンギク〉
暁の紺朝顔や星一つ(高浜虚子)
朝顔に雨戸すかして二度寝かや(阿部みどり女)
瞳を澄ますほどの風あり野紺菊(きくちつねこ)
刃を研ぐは人おもうこと野紺菊(渋谷 道)
百日紅 〈サルスベリ、ヒャクジッコウ〉 山茶花 〈サザンカ〉
何恃めとや躍り咲く百日紅(岡本 眸)
百日紅心つまづき声からび(石田波郷)
山茶花の灯ともしどきの早くなり(鷹羽狩行)
廃校の山茶花の紅忘れずや(安倍里子)
木槿 〈ムクゲ〉 郭公薊、アゲラタム 〈カッコウアザミ、アゲラタム〉
薮入や皆見覚えの木槿垣(正岡子規)
木槿咲いて祭も過ぎぬ野の小家(河東碧梧桐)
木槿 〈ムクゲ〉 ペンタス 〈ペンタス〉
木槿何時も洩れくる同じ曲(稲畑広太郎)
あらがはず一日終へたる木槿かな(篠田純子)
木槿 〈ムクゲ〉 アノダ、シルバーカップ 〈アノダ、シルバーカップ〉
花木槿裸童のかざし哉(松尾芭蕉)
木槿咲く頃はいつもの旅心(西浦和子)
パクチー、コリアンダー 〈パクチー、コリアンダー〉  四季咲き撫子、ダイアンサス 〈ナデシコ、シキザキナデシコ、ダイアンサス〉

植込みの撫子にビル高々と(稲畑広太郎)
なでしこや可愛かったと過去形に(あさなが 捷)
欧州万年草 〈オウシュウマンネンソウ〉 竜胆 〈リンドウ〉

りんだうや枯葉がちなる花咲きぬ(与謝蕪村)
りんだう咲く由々しきことは無きごとし(細見綾子)
花魁草、フロックス 〈オイランソウ、フロックス〉 杜鵑草、時鳥草 〈ホトトギス〉
おいらん草夕べは淡き紅をさす(松本光世)
杜鵑草そんなに仰山咲かずとも(竹下幸子)
蔭にあらば思い色濃き時鳥草(平野きぬ子)
白妙向日葵 〈ヒマワリ、シロタエヒマワリ〉
向日葵をパアッと咲かせ農家留守(関口ゆき)
ひまわりの三本までは、まあ許す(坪内稔典)
2017③(7-9月)  2017④(10-12月) 


2017①(1-3月) 2017②(4-6月)
アネモネ 〈アネモネ〉 鉄砲百合 〈ユリ、テッポウユリ〉
アネモネの先づ紫が立ち直る(水原秋桜子)
アネモネやひとりのお茶のしづごころ(日野草城)
鉄砲百合神の鉄砲として白き(富安風生)
鉄砲百合活けて真面目に話する(瀧井孝作)
木瓜 〈ボケ〉 フロックス 〈フロックス〉
木瓜の花紅し物慾断ちがたし(日野草城)
口ごたへすまじと思ふ木瓜の花(星野立子)
山茱萸 〈サンシュユ〉 ロベリア 〈ロベリア〉
山茱萸にけぶるや雨も黄となんぬ(水原秋桜子)
生命なり白梅山茱萸に埋れる(金子兜太)
沈丁花 〈ジンチョウゲ〉 ミニ薔薇 〈バラ、ミニバラ〉
ひしめきてまだ沈黙の沈丁花(高浜虚子)
校庭の沈丁花の香に卒業す(吉屋信子)
日を吸うも弾くも薔薇の色なりし(稲岡 長)
己れ刺あることを知りて花さうび(高浜虚子)
福寿草 〈フクジュソウ〉 矢車草 〈ヤグルマソウ〉
福寿草延びて莟の日数かな(会津八一)
福寿草ひらききつたりまぶしかり(細見綾子)
住み残す矢車草のみずあさぎ(中村汀女)
清貧の閑居矢車草ひらく(日野草城)
紅梅 〈コウバイ〉 紫蘭 〈シラン〉
方寸にあり紅梅の志(川崎展宏)
瞑(めつむ)れば紅梅墨を滴らす(角川春樹)
雨を見て眉重くゐる紫蘭かな(岡本 眸)
紫蘭咲き満つ毎年の今日のこと(高浜虚子)
梅 〈ウメ、ハクバイ〉 著莪 〈シャガ〉
梅咲きぬ食う銭ありて美しき(室生犀星)
すつきりと一事の終り梅の花(曷川 克)
木漏れ日の鋭きところ著莪の花(吉野さと)
人待ちて少し眠たく著莪の花(岡本 眸)
蝋梅 〈ロウバイ〉 西洋石楠花 〈シャクナゲ、セイヨウシャクナゲ〉
蝋梅を過ぎくる風に吹かれをり(宮本道子)
蝋梅の芯に火種のあるごとく(山田正子)
石楠花は富士の夕の色に咲けり(阿部完市)
石楠花の風の抜けゆく室生寺(渡辺政子)
節分草 〈セツブンソウ〉 躑躅 〈ツツジ〉
木漏れ日を淡々まとふ節分草(笹井康夫)
節分草木々の息吹を地にあつめ(渡辺立男)
紅つつじ花満ちて葉はかくれけり(日野草城)
死ぬものは死にゆく躑躅燃えてをり(臼田亜浪)
冬木 〈フユキ〉 勿忘草 〈ワスレナグサ〉
風も日もたやすくぬけて冬木立(土生重次)
花鳥にせがまれ尽す冬木立(広瀬惟然)
シャンソンを聴く薄明の勿忘草(きくちつねこ)
勿忘草わかものゝ墓標ばかりなり(石田波郷)
冬木 〈フユキ〉 桜 〈サクラ〉
雑木林に面白く枯葉浮びけり(高浜年尾)
枯葉鳴るくぬ木林の月夜かな(正岡子規)
さくら咲き常盤木ふかき彩そふる(臼田亜浪)
口あけて全国の河馬桜咲く(坪内稔典)
冬木 〈フユキ〉 三つ葉躑躅 〈ツツジ、ミツバツツジ〉
びつしりと茸を帯びたる冬木かな(岸本尚毅)
孤独なり冬木にひしととりまかれ(木下夕爾)
冬木 〈フユキ〉 雪柳、小米草 〈ユキヤナギ、コゴメグサ〉
もの言はぬ冬木ばかりに囲まるる(朝倉和江)
冬日柔か冬木柔か何れぞや(高浜虚子)
雪柳人居るごとく揺れ合へり(阿部みどり女)
井戸ばたにこぼれて白し小米草(正岡子規)
2017①(1-3月) 2017②(4-6月)


2016③(7-9月)  2016④(10-12月)
彼岸花、曼珠沙華 〈ヒガンバナ、マンジュシャゲ〉 枯葉 〈カレハ〉
何故にあるのか白の曼珠沙華あああ(細見綾子)
花とびし花びらとびし曼珠沙華(高野素十)
常盤木の落葉に鳥の声凄し(正岡子規)
かさこそと雉子(きぎす)落葉に餌をあさる(寺田寅彦)
黄花コスモス〈キバナコスモス〉 枯葉 〈カレハ〉
湯の町や黄花コスモス遠眼にす(畑中一成)
咲き残る黄花コスモス海明るく(貞布兵)
つきさゝる枯葉一枚枝の先(高浜虚子)
枯葉しかと小枝にあるや日の冬木(高浜虚子)
ペンタス 〈ペンタス〉 寒椿 〈カンツバキ〉

何といふ赤さ小ささ寒椿(星野立子)
冬椿落つやわが佇(た)つ前うしろ(木下夕爾)
鷺草 〈サギソウ〉 菊 〈キク〉
鷺草の残り少なく白澄みぬ(石田波郷)
鷺草のをどりどほしよ風の盆(野澤節子)
古里に帰るは嬉し菊の頃(夏目漱石)
人去つ空しき菊や白き咲く(芥川龍之介)
えごの実 〈エゴ、エゴノミ〉 石蕗 〈ツワブキ〉
千万のえごの実揺るるは宝珠揺る(木村貞恵)
えごの実を拾ひお手玉五つほど(成田幸子)
ことしもここに石蕗の花も私も(種田山頭火)
日もすがら碧空を恋ひ石蕗の花(飯田龍太)
凌霄花 〈ノウゼンカズラ〉 カラミンサ 〈カラミンサ、カラミンタ〉
雨のなき空へのうぜん咲きのぼる(長谷川素逝)
凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリヤ(中村草田男)
露草 〈ツユクサ〉 大文字草-三銃士 〈ダイモンジソウ、サンジュウシ〉
露草を摘めば零るる夜べの雨(稲畑汀子)
露草も露のちからの花ひらく(飯田龍太)
桔梗 〈キキョウ、キチコウ〉 野紺菊 〈ノコンギク〉
桔梗の花咲く時ぽんと言そうな(加賀千代女)
きちかうや眼汝がために青し(森 鷗外)
山のいろ山より湧きぬ野紺菊(手塚美佐)
湖は雨の暗さよ野紺菊(八木林之助)
擬宝珠 〈ギボシ〉 薔薇 〈バラ、ソウビ〉
涼しさやぎぼしの花をなぶる風(正岡子規)
這入りたる虻にふくるゝ花擬宝珠(高浜虚子)
風きれい赤き薔薇にふるゝとき(稲畑汀子)
吾にまだ燃ゆるものあり薔薇真紅(石川文子)
山百合 〈ヤマユリ〉 アベリア、花つくばね空木 〈アベリア、ハナウツバネウツギ〉
山百合や翁の髭のぴんと跳ね(渡辺民親)
山百合の白の鮮烈爆破点(鷹羽狩行)
メドウセイジ、サルビア・グァラティニカ〉 コスモス 〈コスモス〉
サルビヤの花には倦むといふ言葉(稲畑汀子)
サルビヤノなだるるごとく月日かな(黒川路子)
コスモスの色の分れ目通れそう(稲畑汀子)
コスモスに来なばローランサンの少女(西岡正保)
花魁草、草夾竹桃、フロックス 〈オイランソウ、フロックス〉 秋明菊、貴船菊 〈シュウメイギク、キブネギク〉
村貧し花魁草の目につきて(清崎敏郎)
華麗なる過去のありけり花魁草(沖崎一考)
菊の香や垣の裾にも貴船菊(水原秋桜子)
こと艸にまじりてのびし貴船菊(山本竹兜)
萩 〈ハギ〉
やや暑く少し涼しく萩盛り(後藤夜半)
紅の花びら立てゝ萩の花(高野素十)
2016③(7-9月)    2016④(10-12月) 


2016①(1-3月) 2016②(4-6月)
椿 〈ツバキ、シロツバキ〉 紫陽花 〈アジサイ〉
廻廊の雨したたかに白椿(横光利一)
混沌の世の一隅の白椿(吉野義子)
あぢさゐの大株のあり名は花火(阿部文子)
紫陽花や大きな夢はばらばらに(加藤楸邨)
アネモネ 〈アネモネ〉 紫陽花 〈アジサイ〉
アネモネ黒蘂 理由なき反抗(木戸渥子)
アネモネやひとりのお茶のしづごころ(日野草城)
紫陽花もわたしも雨を手をひろげ(中野辰子)
雨に剪る紫陽花の葉の真青かな(飯田蛇笏)
三椏 〈ミツマタ〉 泰山木 〈タイサンボク〉
春愁や三椏の花匂はざる(細見綾子)
三椏の花はじめから和紙の味(瀧 春一)
なが雨や泰山木の花堕ちず(杉田久女〉
泰山木の花ありつたけ崩壊秘め(加藤楸邨)
梅-薄色縮緬 〈ウメ、ウスイロチリメン〉 えごの花 〈エゴノハナ〉
三日雨 四日梅咲く日誌かな(夏目漱石)
梅咲て一際人の古びけり(小林一茶)
えごの花真盛りなるみどりかげ(高浜年尾)
えごの花落ちて路上の星となる(金子清孝)
椿 〈ツバキ〉 丁子草 〈チョウジソウ〉
うつむきし椿に雨の重さあり(稲畑広太郎)
目を休め心を放ち紅桜(稲畑汀子)
丁子草花甘さうに咲きにけり(正岡子規)
福寿草 〈フクジュソウ〉 山法師 〈ヤマホウシ〉
福寿草に日の当たり居り言ふことなし(中村汀女)
地の果の咲きほほけゐし福寿草(稲畑汀子)
山法師の花は手裏剣谷ふかし(森 理和)
山法師散乱の白苞に雨情(金子兜太)
節分草 〈セツブンソウ〉 雛罌粟、虞美人草、ポピー 〈ヒナゲシ、グビジンソウ、ポピー〉
太陽へ「よう!」と目覚めて節分草(布川直幸)
節分草その小ささに膝を折り(設楽唱子)
群れてよし一輪でよし虞美人草(松本道雄三千夫)
雛罌粟の日を恋ひ海を恋ふ赤さ(鷹羽狩行)
シクラメン 〈シクラメン〉 庭石昌、シシリンチウム 〈ニワゼキショウ、シシリンチウム〉
八方に聞耳立ててシクラメン(菊池麻風)
シクラメン花のうれひを葉にわかち(久保田万太郎)
濃き日ざし庭石昌を咲き殖す(上村占魚)
庭石昌かたかなの散りてうたへる(上田睦子)
蝋梅、唐梅 〈ロウバイ、カラウメ〉 躑躅 〈ツツジ〉
蝋梅の枝に恋々たる冬日(竹内弘子)
ほつこりと蝋梅の香の刻流る(飯田ひでを)
春愁のかぎりを躑躅燃えにけり(水原秋桜子)
分け行けば躑躅の花粉袖にあり(高浜虚子)
龍の鬚、龍の玉 〈リュウノヒゲ、リュウノタマ〉 紫木蓮 〈シモクレン〉
龍の玉深く蔵すといふことを(高浜虚子)
風化せし初恋ながら龍の玉(小島可寿)
曇りゐて花びら重し紫木蓮(上村占魚)
紫木蓮ほどよく咲いて午後のお茶(井上英子)
庭薺、アリッサム 〈ニワナズナ、アリッサム〉 岩薺、アリッサム サミット 〈イワナズナ、アリッサム サミット〉
歳晩の鉢に植え込む庭なずな(高橋正子)
庭なずな晴れし朝を匂うなり(高橋正子)
風信子、ヒヤシンス 〈フウシンシ、ヒヤシンス〉 雪柳、小米花 〈ユキヤナギ、コゴメバナ〉
ヒヤシンス高きを渡る風に和す(有馬朗人)
遺失物係の窓のヒヤシンス(夏井いつき)
野良猫の揺らして通る雪柳(脇本幸代)
白水の流れた跡や小米花(菊明=小林一茶)
水仙 〈スイセン〉 花韮 〈ハナニラ〉
水仙も処を得たり庭の隅(正岡子規)
水仙の花のうしろの蕾かな(星野立子)
花韮の花賞でらるるそよぎかな(宮津昭彦)
花韮や地震に崩れし石畳(菅野日出子)
2016①(1-3月)  2016②(4-6月) 


2015③(7-9月)  2015④(10-12月)
西洋朝顔-フライイングソーサー 〈アサガオ、セイヨウアサガオ〉 南天 〈ナンテン〉
朝皃の葉影に猫の眼玉かな(夏目漱石)
朝顔の蔓の自由を籬とす(稲畑汀子)
あるかなし南天の紅竹垣に(瀧井孝作)
億年のなかの今生実南天(森 澄雄)
彼岸花、曼珠沙華 〈ヒガンバナ、マンジュシャゲ〉 万年青 〈オモト〉
むらがりていよいよ寂しひがんばな(日野草城)
ひとり往けひとりかなしめ曼珠沙華(黒田杏子)
真上よりのぞけばありぬ万年青の実(真城藺郷)
庭万年青 玉は朱金に年果つる(飯田蛇笏)
玉簾、レインリリー 〈タマスダレ、レイインリリー〉 万両 〈マンリョウ〉
植え替えて初めて咲きし玉簾(忍正志)
レインリリーの水鞠抱きて雨上る(山塔梨雨)
万両の実のつやつやと漱石忌(皆川盤水)
垂訓のごとくに垂れて実万両(鷹羽狩行)
花虎の尾 〈ハナトラノオ〉 鶏頭 〈ケイトウ〉
花虎尾律儀(りつぎ)に下より咲きにけり(雨梨)
秋色を庭に染めゆく花虎尾(童里夢)
こけもせで二百十日の鶏頭かな(正岡子規)
一本の鶏頭燃えて戦終る(加藤楸邨)
花薄荷、オレガノ 〈ハナハッカ、オレガノ〉
花薄荷眠り薬の壜に生け(雨香)
走るやうに父は老いけり花薄荷(苑 実也)
蓮 〈ハス〉
豊満に咲く構へなり蓮の花(芝宮須磨子)
紅蓮の蕾に子規の歩く影(金子兜太)
ブルーベリー 〈ブルーベリー〉
指の力殺してブルーベリー摘む(平石和美)
ブルーベリー帽子いつぱい摘みて夏(高橋あゆみ)
仏桑花、ハイビスカス 〈ブッソウゲ、ハイビスカス〉
かつて夫(つま)いくさの跡や仏桑花(石川文子)
島の唄流れ来る夜の仏桑花(小田尚輝)
銭葵 〈ゼニアオイ〉
朝日荘東雲荘や銭葵(内田美紗)
銭葵咲いてサーカステント裏(岡本多満喜)
万両の花 〈マンリョウノハナ〉
ありふれていて万両の花粒粒(佐藤雀仙人)
紫陽花 〈アジサイ〉
紫陽花や白よりいでし浅みどり(渡辺水巴)
面影は紫陽花よりも淡きかな(阿部みどり女)
紫陽花 〈アジサイ〉
紫陽花に佇んで胸濡らしけり(黛 まどか)
紫陽花やきのふの誠けふの嘘(正岡子規)
紫陽花 〈アジサイ〉
雨の日は雨に応える濃紫陽花(倉田しげる)
乳母車紫陽花の毬いくつ過ぎ(行方克巳)
2015③(7-9月)  2015④(10-12月) 


2015①(1-3月)  2015②(4-6月)
梅-白加賀 〈ウメ、シロカガ〉 花菖蒲 〈ハナショウブ〉
老梅の穢き迄に花多し(高浜虚子)
白梅の余白の余命我に在り(永田耕衣)
憂きことの晴るる如くに菖蒲咲く(大木格次郎)
夜蛙の声となりゆく菖蒲かな(水原秋桜子)
梅-蓮久 〈ウメ、レンキュウ〉 花菖蒲 〈ハナショウブ〉
紅梅と夕日と溶くる刻永氏(永井龍男)
紅梅の落花をつまむ畳哉(正岡子規)
花びらのてのひらほどの白菖蒲(山口青邨)
まぼろしの藍ただよへり白菖蒲(草間時彦)
梅-月の桂 〈ウメ、ツキノカツラ〉 蛍蔓 〈ホタルカズラ〉
白梅は枝さし交し日は微塵(福田蓼汀)
風冴えて宙にまぎるる白梅花(飯田蛇笏)
梅-紅千鳥 〈ウメ、ベニチドリ〉 瑠璃唐草、ネモフィラ 〈ルリカラクサ、ネモフィラ〉
紅梅の母の願ひを濃く咲ける(長谷川かな女)
紅梅にあはれ琴ひく妹もがな(夏目漱石)
梅-薄色縮緬 〈ウメ、ウスイロチリメン〉 雛罌粟、虞美人草、ポピー 〈ヒナゲシ、グビジンソウ、ポピー〉
咲き籠めて鳥影うつす梅林(永井龍男)
梅ひらく生くるに倦むは許されず(野澤節子)
咲き満ちて眩しポピーの大野原(三村かよこ)
虞美人草寂しさ極む真昼あり(橋本美代子)
雛罌粟、虞美人草、ポピー 〈ヒナゲシ、グビジンソウ、ポピー〉
ひなげしの蜂来れば揺れ去ればゆれ(式部野蓼)
ひなげしや夜ごと夜ごとのあけやすき(芥川龍之介)
雛罌粟、虞美人草、ポピー 〈ヒナゲシ、グビジンソウ、ポピー〉
陽に倦みて雛罌粟いよよくれなゐに(木下夕爾)
紙よりも素直に吹かれ虞美人草(山川能舞)
小手毬 〈コデマリ〉
こでまりに端居の頃となりしかな(富安風生)
こでまりの枝より透けて遠筑波(角川春樹)
躑躅 〈ツツジ〉
庭芝に小みちまはりぬ花つつじ(芥川龍之介)
盛りなる花曼荼羅の躑躅かな(高浜虚子)
桜 〈サクラ〉
ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな(村上鬼城)
咲き満ちてこぼるる花もなかりけり(高浜虚子)
桜 〈サクラ〉
ふり返り見て花の道花の中(稲畑汀子)
吾子発ちて庭に残りし花明り(黒川悦子)
桜 〈サクラ〉
きれいねと知らぬ人との桜かな(相生葉留美)
休日を覆ひ尽してゐる桜(今井肖子)
桜 〈サクラ〉
去年も咲きことしも咲くや桜花(上島鬼貫)
天と地と中に息して花あかり(角川春樹)
2015①(1-3月)  2015②(4-6月) 


 2014③(7-9月)    2014④(10-12月)
薄、芒 〈ススキ〉 薔薇 〈バラ〉
押し分くる芒の上や秋の空(夏目漱石)
折りとりてはらりとおもき芒かな(飯田蛇笏)
心たる日の薔薇さはにひらきけり(木下夕爾)
病癒えて力無き手や薔薇を折る(正岡子規)
凌霄花 〈ノウゼンカズラ〉 薔薇 〈バラ〉
日ざかりや凌霄おごる松の上(森 鷗外)
抱かれ居る児の跳るなり凌霄花(幸田露伴)
薔薇満ちて見上ぐる軒も黄ばらなり(及川 貞)
人恋ふや胸に灯せるバラは黄に(石橋未どり)
女郎花 〈オミナエシ〉 薔薇 〈バラ〉
よろよろは我もまけぬぞ女郎花(小林一茶)
我ものに手折らば淋し女郎花(大島蓼太)
この薔薇のための真紅と思ふほど(今橋真理子)
わが咳にくづるる薔薇と見入りけり(臼田亜浪)
禊萩、溝萩 〈ミソハギ、ミゾハギ〉 薔薇 〈バラ〉
みそ萩や水につければ風の吹(小林一茶)
溝萩の咲けば偲べる人のあり(稲畑汀子)
一輪ざしに活けたる薔薇の二輪哉(正岡子規)
尖鋭も叡智も薔薇の姿とし(後藤夜半)
桔梗 〈キキョウ、キチキョウ〉 山茶花-御美衣 〈サザンカ、オミゴロモ〉〉
紫のふつとふくらむ桔梗かな(正岡子規)
きちかうや眼汝がために青し(森 鷗外)
また逢へた山茶花も咲いてゐる(種田山頭火)
山茶花の縁にこぼるる日和哉(正岡子規)
鬼灯、酸漿 〈ホオズキ〉 千両 〈センリョウ〉
秋近う鬼灯の恋色に出づる(会津八一)
染めわけて鬼灯は夜のものならず(長谷川かな女)
千両の実をこぼしたる青畳(今井つる女)
半日にして千両の啄まれ(木内彰志)
ブッドレア、房藤空木 〈ブッドレア、フサフジウツギ〉 ダリヤ 〈ダリヤ〉
心かなしくダリヤに突き当りし(瀧井孝作)
ダリヤ見し目の華やかに見返しぬ(稲畑汀子)
擬宝珠 〈ギボウシ、ギボシ〉 ダリヤ 〈ダリヤ〉
花売りの擬宝珠ばかり信濃をとめ(橋本多佳子)
擬宝珠の花散り尽し一揆村(田湯 岬)
日に揺るるダリヤの虫は捕りがたし(宮武寒々)
剪り剪れど咲きつぐダリヤ秋深み(中尾白雨)
木槿 〈ムクゲ〉 ダリヤ 〈ダリヤ〉
今日も又一人の帰路や木槿道(稲畑広太郎)
咲きかはる木槿に工事進みけり(稲畑汀子)
目に深き赤はダリヤの沈む色(稲畑汀子)
悲しみのてっぺんダリヤは燃えている(松本恭子)
向日葵 〈ヒマワリ〉 ダリヤ 〈ダリヤ〉
向日葵やものゝあはれを寄せつけず(鈴木真砂女)
原爆忌ひまはりの丈子が制す(原 コウ子)
秋晴れは今ひとときのダリヤかな(横光利一)
野の家のダリヤやおもふままに照る(臼田亜浪)
小紫式部 〈コムラサキシキブ〉 紫苑 〈シオン〉

露けぶるむらさき捧げ紫苑立つ(松本たかし)
紫苑といふ花の古風を愛すかな(富安風生)
西洋朝顔、ヘヴンリー・ブルー 〈アサガオ、ヘヴンリー・ブルー〉 薮蘭 〈ヤブラン〉
蕣や夜は明けきりし空の色(中村史邦)
朝顔に空の色まだ定まらず(前田育子)
紫片喰 〈ムラサキカタバミ〉
かたばみに雨ぴちぴちと雀の子(矢島渚男)
かたばみの花うつほどの雨ならず(竹内素風)
2014③(7-9月)    2014④(10-12月) 


2014①(1-3月)  2014②(4-6月)
枝垂桜、糸桜 〈シダレザクラ、イトザクラ〉 胡瓜の花 〈キュウリノハナ〉
鬼ごっこ枝垂桜をくぐり抜け(草間時彦)
影は瀧空は花なり糸桜(加賀千代女)
花のあとにはや見えそむる胡瓜哉(正岡子規)
三日月の匂い胡瓜の一二寸(佐藤惣之助)
桜、緋寒桜 〈サクラ、ヒカンザクラ〉 夏椿、沙羅 〈ナツツバキ、サラ、シャラ〉
桜咲く前より紅気立ちこめて(山口誓子)
去年(こぞ)も咲きことしも咲くや桜花(上島鬼貫)
ナツツバキこらへかねたる白さかな(佐藤美恵子)
散るための雨を吸ひをり夏椿(高橋栄子)
桜-薄色縮緬 〈サクラ、ウスイロチリメン〉 鬼田平子 〈タビラコ、オニタビラコ〉
さくら木にさくら一杯につきにけり(室生犀星)
顔に似ぬ発句も出でよ初桜(松尾芭蕉)
嫋やかな鬼田平子の名の恐さ(HPより 静岡県・愚兀)
たびらこの花に憩ひて古戦場(北田桃代)
椿-数寄屋 〈ツバキ、スキヤ〉 紫陽花 〈アジサイ〉
古庭に茶筌花さく椿かな(与謝蕪村)
飯食へばまぶたに重き椿かな(夏目漱石)
いくらでも水気ほしげに紫陽花は(細見綾子)
乳母車紫陽花の毬いくつ過ぎ(行方克巳)
椿-紅乙女 〈ツバキ、コウオトメ〉 更紗満天星 〈ドウダン、サラサドウダン〉
目を休め心を放つ紅椿(稲畑汀子)
椿落つ申し分なき紅のまま(青砥真貴子)
満天星の小雨降る中煙る中(HPより 東京・光男子)
秘めやかに更紗満天星紅刷けり(新井世紫)
椿-吾妻絞 〈ツバキ、アズマシボリ〉 カルミア、アメリカ石楠花 〈カルミア、アメリカシャクナゲ〉
鵯の嘴(くちばし)いるるつばきかな(浪化)
ひねくりし一輪椿活け得たり(正岡子規)
カルミアを端居してみる影ひとつ(HPより 静岡県・愚兀)
サン ニ イチ ゼロ ぱっと絵日傘ひらきたる(HP「ナポサラ」より)
椿-太郎冠者 〈ツバキ、タロウカジャ〉 石楠花、西洋石楠花 〈シャクナゲ、セイヨウシャクナゲ〉
葉にそむく椿や花のよそ心(松尾芭蕉)
ひねくりし一枝活けぬ花椿(正岡子規)
石楠花の紅迸る雹のあと(岡田貞峰)
石楠花の庭を置きゆく移転かな(副島いみ子)
オンシジウム (温室にて) ワイルドヒヤシンス、釣鐘草 〈ヒヤシンス、ワイルドヒヤシンス、ツリガネソウ〉
草薙げば釣鐘草や時鳥(芥川龍之介)
眼をとむるヒヤシンスあり事務の閑(日野草城)
ブーゲンビリア (温室にて) 矢車草 〈ヤグルマソウ〉
空の色映し矢車草ひらく(小神野藤花)
驟雨来て矢車草のみなかしぐ(皆川盤水)
睡蓮-ディレクターGTムーア (温室にて) アリッサム、サミット 〈アリッサム、サミット〉


睡蓮-セントルイス・ゴールド (温室にて) 花簪 〈ハナカンザシ〉
花かんざし日はうらうらと遊歩道(河合とき)
蜜蜂や花簪に一休み(阿美土)
睡蓮-イヴリン・ランディング (温室にて) 花韮 〈ハナニラ〉
花にらやダヴィデの星を敷きつめる(有馬朗人)
花韮の白さどぎまぎ嘘ばかり(小堤香珠)
睡蓮-ギガンティア (温室にて) 桜-染井吉野 〈サクラ、ソメイヨシノ〉
咲き満ちて桜静かに立ちにけり(望月和子)
咲くといふくるしきわざを桜さく(長谷川 櫂)
2014①(1-3月)  2014②(4-6月) 


2013③(7-9月)  2013④(10-12月)
梅擬 〈ウメモドキ〉 薔薇 〈バラ〉
折くるゝ心こぼさじ梅もどき(与謝蕪村)
残る葉も残らず散れや梅もどき(野沢凡兆)
昼深き日射に薔薇の疲れ見ゆ(細江大寒)
児とかゞむ児を薔薇の香にひたさんと(中島斌男)
花虎の尾 〈ハナトラノオ〉 薔薇 〈バラ〉

紅薔薇に闇来ても紅そこにあり(鈴木真砂女)
薔薇紅き嘆きは人に頒たれず(稲垣きくの)
千日紅、千日草 〈センニチコウ、センニチソウ〉 薔薇 〈バラ〉
蕾かと見れば千日紅の花〈星野 椿)
一日千秋 千日重ね 千日草(富安風生)
薔薇ひらききつて芯まで風およぶ(矢部栄子)
日を吸ふも弾くも薔薇の色なりし(稲岡 長)
紫露草 〈ムラサキツユクサ〉 薔薇 〈バラ〉
本陣はつゆむらさきに偲ぶのみ(布目美弥子)
わが咳にくづるる薔薇と見入りけり(臼田亜浪)
薔薇きよら美しき神こゝに棲めり(中尾白雨)
露草、蛍草、月草 〈ツユクサ、ホタルグサ、ツキクサ〉 薔薇、黄薔薇 〈バラ、キバラ〉
いのちなり露草の瑠璃 蓼の紅(石田波郷)
二ひらの花びら立てて蛍草(松本たかし)
旅人に黄薔薇の投げてあるうれし(池内友次郎)
隊伍来て野が総毛だつ黄色い薔薇よ(高柳重信)
ペンタス、草山丹花 〈ペンタス、クササンタンカ〉 薔薇 〈バラ〉
ペンタスや溜まりし星屑散りて落ち(ブログより ヒサコ)
ペンタスや花のペン先秋の詩(うた) (ブログより 憧里夢)
日脚伸ぶ影をつぶさに薔薇の棘(馬場移公子)
薔薇を画く花は易く葉は難かりき(正岡子規)
スペアミント 〈スペアミント〉 薔薇 〈バラ〉
今摘みしミントの香る夏座敷(中川晴美)
切りすぎた髪にミントの秋の風(ブログより 小春)
薔薇の根に蟻の群る日向哉(寺田寅彦)
そこはかと薔薇の溜息らしきもの(後藤夜半)
仏桑華、ハイビスカス 〈ブッソウゲ、ハイビスカス〉 薔薇 〈バラ〉
疲れ且つ戦い仏桑花を愛す(金子兜太)
村人にハイビスカスの長き舌(有馬朗人)
心たる日の薔薇さはにひらきけり(木下夕爾)
薔薇ひらききつてをりけり校了す(岩崎照子)
鉄砲百合 〈ユリ、テッポウユリ〉 白菊 〈キク、シラギク〉
素ッ気なくて鉄砲百合の青蕾(鈴木栄子)
戦跡の鉄砲百合は海へ向く(高橋悦男)
みちのくの菊のひかりにつまづくや(黒田杏子)
まらうどに礼をつくして菊白し(飯田蛇笏)
山百合 〈ユリ、ヤマユリ〉 秋明菊、貴船菊 〈シュウメイギク、キブネギク〉
山百合の白にうたれて頭(づ)が重し(阿部みどり女)
百合の蕊みなりんりんとふるひけり(川端茅舎)
貴船菊その名を知りてより親し(三木朱城)
観音の影のさまなる貴船菊(阿部みどり女)
銭葵 〈ゼニアオイ〉 蕎麦の花 〈ソバノハナ〉
厩より雀とび翔(た)つ銭葵(皆川盤水)
鴨の子を盥に飼ふや銭葵(正岡子規)
蕎麦はまだ花でもてなす山路かな(松尾芭蕉)
道のべや手よりこぼれて蕎麦の花(与謝蕪村)
紫陽花、四葩 〈アジサイ、ヨヒラ〉  コスモス-ヴェルサイユ 〈コスモス、ヴェルサイユ〉 
  雨に剪る紫陽花の葉の真青なる(飯田蛇笏)
風立ちて毬のをさなき四葩かな(遠藤悠紀) 
  コスモスの色もつれあひほどけあひ(本郷昭雄)
風船をつれコスモスの中帰る(石原八束) 
紫陽花 〈アジサイ〉  八重咲木槿 〈ムクゲ、ヤエザキムクゲ〉 
  あぢさゐに彩(いろ)づけの雨 日がな降る(上村占魚)
あぢさゐに水の色失せ炎暑来ぬ(野澤節子) 
  紙屑のやうに木槿の花が闇に(文挟夫佐恵)
木槿の花がおしまひになつて風吹く(尾崎放哉) 
紫陽花 〈アジサイ〉  
  紫陽花に佇んで胸濡らしけり(黛 まどか)
紫陽花の藍をとばして雨あがる(阿部みどり女) 
   
2013③(7-9月)  2013④(10-12月) 


2013①(1-3月)  2013②(4-6月)
胡蝶侘助 〈ワビスケ、コチョウワビスケ〉 薔薇-デインティ・ベス 〈バラ、デインティ・ベス〉
侘助は一輪ざしに似合ふもの(高浜年尾)
わびすけや人生後半よろしくて(鳥羽夕摩)
ばらの名を覚えて次の薔薇の前(長田 等)
善良に公園の薔薇見て帰る(富安風生)
椿-赤寺 〈ツバキ、アカデラ〉 薔薇-ロサ・ガリカ・オキフィナリス 〈バラ、ロサ…〉
紅椿こゝだく散りてなほ咲けり(日野草城)
赤椿さいてもさいても一重哉(正岡子規)
父の日の薔薇を抱きて見せしこと(後藤夜半)
紅薔薇に闇来ても紅そこにあり(鈴木真砂女)
菜の花 〈ナノハナ〉 薔薇-マチルダ 〈バラ、ソウビ、マチルダ〉
菜の花がしあはせさうに黄色して(細見綾子)
いくさあらすな花菜わたる日のにおい(栗林一石路)
さみだれや薔薇冴えまさる雲の中(横光利一)
花薔薇(そうび)はみだしたがる色を巻き(嶋田一歩)
ベゴニア 薔薇-ポーターローズ〉
咲き満ちて雨夜も薔薇のひかりあり(水原秋桜子)
尖鋭も叡智も薔薇の姿としあ(後藤夜半)
山丹花 〈サンタンカ〉 日本石楠花-隠岐 〈シャクナゲ、ニホンシャクナゲ、オキ〉
石楠花の奥の院までつゞきけり(上田立一呂)
蘂開きたる石楠花の終りかな(村上鬼愁)
クレロデンドロム ウガンデンセ 日本石楠花-屋久島 〈シャクナゲ、ニホンシャクナゲ、ヤクシマ〉
白石楠花夜になり夜の白さなる(加藤知世子)
石楠花の邪魔な一枝を挿しかへぬ(星野立子)
ディフルゴサ コロラタ 日本石楠花-佐渡 〈シャクナゲ、日本石楠花、サド〉
石楠花や塔も小振りに女人寺(田村糸女)
石楠花咲く原発賛否をよそに(安井信朗)
紫蘇芯花 〈ムラサキソシンカ〉 日本石楠花-あずま 〈シャクナゲ、ニホンシャクナゲ、アズマ〉
石楠花の紅曳く影のあふれける(古舘曹人)
石楠花は富士の夕の色に咲けり(阿部完市)
水仙 〈スイセン〉 黄花片栗 〈カタクリ、キバナカタクリ〉
水仙の花触るゝ顔笑ふべし(渡辺水巴)
水仙の葉のすい~として縒(よ)れて(高浜年尾)
数咲いて花かたくりは一つずつ(五十嵐播水)
片栗は耳のうしろを見せる花(川崎展宏)
磯菊 〈磯菊〉 薮椿 〈ツバキ、ヤブツバキ〉
これは何これは磯菊しづかな海(川崎展宏)
磯菊やわづかな魚を板に干し(鳥海昭子)
薮椿落して風の句読点(湯川雅)
椿折てきのふの雨をこぼしけり(与謝蕪村)
紺侘助 〈ワビスケ、コンワビスケ〉
侘助も数重なりて名にならず(前田卯生)
大地震(おおない)の後まで侘助咲き残る(阿部ひろし)
椿、白椿、白薮椿 〈ツバキ、シロツバキ、シロヤブツバキ〉
澄む日影かさねてひらく白椿(柴田白葉女)
契らばや君は赤われ白椿(正岡子規)
椿-三河雲竜、赤椿 〈ツバキ、ミカワウンリュウ、アカツバキ〉
               春中の花の相手や赤椿(成田蒼虬)
流れゆく椿は曲り失せにけり(松本たかし)  
2013①(1-3月)  2013②(4-6月) 


2012③(7-9月)  2012④(10-12月)
萩 〈ハギ〉 南天 〈ナンテン、ミナンテン〉
ゆつくり歩かう萩がこぼれる(種田山頭火)
起ち上らざるもの胸に萩起す(石田波郷)
蘭の鉢に南天の実のこぼれたる(寺田寅彦)
南天を食べに来る鵯(ひよ)寝正月(草間時彦)
青柿 〈カキ、アオガキ〉 足摺野路菊 〈ノジギク、アシズリノジギク)
青柿にこれからという日数かな(宇田喜代子)
角とれて青柿日々に太りゆく(井上治代)
野路菊や沖の瀬に立つ潮煙(HPより 島根県・小澤巌)
野路菊や札所へつづく上り坂(HPより 千葉県・ふう子)
小葉擬宝珠 〈ギボシ、コバギボシ〉 いろは紅葉 〈モミジ、イロハモミジ〉
ぎぼし咲くや石ふみ外す葉のしげり(室生犀星)
花擬宝珠暮色とゞまりをりにけり(星野立子)
樹の命冷やかにして紅葉かな(長谷川櫂)
ことしもまた梅見て桜藤紅葉(井原西鶴)
百日紅 〈サルスベリ、ヒャクジッコウ〉 檀 〈マユミ〉
枝先へ枝先へと花百日紅(星野立子)
百日紅ごくごく水を呑むばかり(石田波郷)
檀の実爆ぜて色濃くなりにけり(小泉良子)
しだれつゝ夢のくれなゐ檀の実(堀口星眠)
西洋朝顔 〈アサガオ、セイヨウアサガオ、ヘヴンリー・ブルー〉 黄桜 〈キク、キザクラ〉
朝がほや一輪深き渕の色(与謝蕪村)
この頃の蕣(あさがお)藍に定まりぬ(正岡子規)
手燭して色失へる黄菊かな(与謝蕪村)
雪掻いて黄菊の花のあらはるゝ(高野素十)
西洋酢漿草 〈カタバミ、セイヨウカタバミ〉 野紺菊 〈ノコンギク〉
かたばみを引きのこしたる庭の隅(上村占魚)
かたばみを掃きいぢめたる箒かな(辻 桃子)
色褪せてむしろ魅かるる野紺菊(米尾芳子)
切株が坐れと二つ野紺菊(太田土男)
タベンダー 〈ラベンダー〉 秋名菊、貴船菊 〈シュウメイギク、キブネギク〉

石積みて畑さゝへあり貴船菊(甲賀山村)
相逢ひし人今年病む貴船菊(阿部みどり女)
紫露草 〈ムラサキツユクサ〉 山香ばし、山胡椒 〈ヤマコウバシ、ヤマコショウ〉
艶見せて紫つゆ草今日を生き(HPより 愛知県・かずえさん )
冬木立山香ばしは中腹に(中山花溪)
受験子の卓のもみぢや山胡椒(谷川淳女)
薔薇-アンジェラ 〈バラ、ソウビ、アンジェラ〉 杜鵑草、油点草 〈ホトトギス〉
蘂深く薔薇のゆるせる雲の影(木下夕爾)
風きれい赤き薔薇(そうび)にふるゝとき(稲畑汀子)
紫の斑(ふ)の賑しや杜鵑草(轡田進)
幾度も雨に倒れし油点草(稲畑汀子)
薔薇-マチルダ 〈バラ、アンジェラ〉 山茱萸、秋珊瑚 〈サンシュユ、アキサンゴ〉
薔薇の香の一花一花を同じうせず(下村梅子)
薔薇好む典雅好むといふごとし(京極杞陽)
山茱萸の実やそこここに鳥の声(ブログより)
森の日を含みて赤き秋珊瑚(ブログより)
京鹿の子 〈キョウガノコ〉 紫苑 〈シオン〉
ふれてみたくて触れにけり京鹿子(三浦香都子)
日が差せば命のいろに京鹿子(小松崎爽青)
抽(ぬき)んでて紫苑の高さありにけり(清崎敏郎)
いちめんの紫苑やあわき握手して(渋谷 道)
山紫陽花 〈アジサイ、ヤマアジサイ〉 蓮 〈ハス、ハチス〉
紫陽花となるまでのただ無色かな(平井照敏)
雨に剪る紫陽花の葉の真青かな(飯田蛇笏)
蓮の葉にうまくのつたる蛙哉(正岡子規)
蓮の実のこぼれつくして何もなし(正岡子規)
莢蒾 〈ガマズミ〉
がまずみの実に太陽のひとつずつ(阿部みどり女)
がまずみの実には疎開の思い出も(桑田青虎)
  コスモス、秋桜 〈コスモス、アキザクラ〉 
      風つよしそれよりも強し秋桜(中嶋秀子)
コスモスが揺れ蝶が揺れ空が揺れ(前山百年) 
2012③(7-9月)  2012④(10-12月) 


 2012①(1-3月)    2012②(4-6月)    
アネモネ 〈アネモネ〉 山紫陽花 〈アジサイ、ヤマアジサイ〉
アネモネを呉れと人来て戸を叩く(前田普羅)
アネモネの黒蘂(くろしべ)理由なき反抗(木戸渥子)
あぢさゐの藍深まりし縁に立つ(吉屋信子)
あぢさゐや真水の如き色つらね(高木晴子)
待雪草、スノードロップ 〈マチユキソウ、スノードロップ〉 十二単 〈ジュウニヒトエ〉
スノードロップ雪なき年は小さく咲く(谷野夏山)
スノードロップ山湖の空気透明にて(有働亨)
汝(なれ)にやる十二単といふ草を(高浜虚子)
昏(く)れてゆく十二単のひとへずつ(加藤燕雨)
節分草 〈セツブンソウ〉 牡丹 〈ボタン〉
咲くだけの光あつめて節分草(高橋悦男)
ふたり棲む節分草をふやしつつ(黒田杏子)
咲きにけり唐紅の大牡丹(正岡子規)
低く居て富貴をたもつ牡丹哉(炭 太祇)
寒咲き菜の花 〈ナノハナ、カンザキナノハナ〉〉 日本桜草 〈サクラソウ、ニホンサクラソウ〉
いささかの雪や挿されし花菜の黄(臼田亜浪)
道曲るとき菜の花の列曲る(稲畑汀子)
まのあたり天降りし蝶や桜草(芝 不器男)
硝子戸の晴るゝ日曇る日さくら草(松本たかし)
パンジー 〈パンジー〉 黄花宝鐸草 〈ホウチャクソウ、キバナホウチャクソウ〉
パンジーにたとへば目鼻置いてみる(稲畑汀子)
パンジーの犇めいてをり花時計(熊澤喜子)
朝霧の一株ありし宝鐸草(八木林之助)
木をめぐり宝鐸草へ蝶降りる(井橋照々)
龍の髭の実、龍の玉 〈リュウノヒゲノミ、リュウノタマ〉 日本石楠花-佐渡 〈シャクナゲ、ニホンシャクナゲ、サド〉
少年のゆめ老年の夢龍の玉(森 澄雄)
地球またかく青からむ龍の玉(鷹羽狩行)
石楠花のまざまざと夢滅びぬる(臼田亜浪)
せり売の石楠花のうつくしさよ(種田山頭火)
万両、実万両 〈マンリョウ、ミマンリョウ)〉 雪割草 〈ユキワリソウ〉
万両は兎の眼もち赤きかな(加賀千代女)
抱くたびに子の言葉増え実万両(野田禎男)
土くれに光あつめて雪割草(吉田順子)
湿りたる森の匂ひや雪割草(吉村玲子)
椿-小磯 〈ツバキ、コイソ、ヤブツバキ〉
薮椿門は葎(むぐら)の若葉かな(松尾芭蕉)
紅椿こゝだく散りてなほ咲けり(日野草城)
桜 〈サクラ〉
去年(こぞ)も咲きことしも咲くや桜花(上島鬼貫)
入学の一つ時にさくら咲く(長谷川かな女)
プリムラ、西洋桜草 〈プリムラ、セイヨウサクラソウ〉
プリムラや母子で開く手芸店(高橋悦男)
プリムラや眩暈(ままい)のごとく昼が来て(岡本眸)
2012①(1-3月)  2012②(4-6月)


 2011③(7-9月)          2011④(10-12月)    
木犀-金木犀 〈モクセイ、キンモクセイ〉 石蕗 〈ツワブキ〉
木犀に人を思ひて徘徊し(尾崎放哉)
木犀の香に昇天の鷹ひとつ(飯田龍太)
咲べくもおもはで有を石蕗(つは)の花(与謝蕪村)
地軸より咲きし色なり石蕗の花(原 石鼎)
秋葵、陸蓮根 〈オクラ、オカレンコン〉 菊 〈キク〉
たたずめがおくらの紅のしべ(安田阿佐子)
待てども待てども枯れぬオクラ〈せいとう)
丹精の菊みよと垣つくろはず(久保田万太郎)
絵かきには見せじよ庵の作り菊(正岡子規)
毬栗 〈イガグリ〉 千両 〈センリョウ〉
はじくまで正面のない栗の毬(山田弘子)
秋風の吹けども青し栗の毬(松尾芭蕉)
千両をどのあたりより折りぬべき(坤者)
千両の一粒こぼし活け終る(石垣弘子)
薊、夏薊 〈アザミ、ナツアザミ〉 山茶花-御美衣 〈サザンカ、オミゴロモ〉
山の威のふつとにはかや夏薊(中村汀女)
夏薊林の雨の衣をとおす(水原秋桜子)
山茶花によるべ見つけし日ざしかな(久保田万太郎)
山茶花にもたれし塀や嵐あと(阿部みどり女)
凌霄花 〈ノウゼンカズラ〉 大文字草 〈ダイモンジソウ〉
のうぜんの花を数へて幾日影(夏目漱石)
凌霄の蟻を落して風過ぎぬ(稲畑汀子)
大文字草大の文字にも大小あり(佐藤慶)
釣鐘の大文字草を忘れめや(高浜虚子)
山百合 〈ヤマユリ〉 檀 〈マユミ〉
山百合の香は同じ頃同じ場所(稲岡 長)
山百合や翁の髭のぴんと跳ね(渡辺民親)
旅にをり旅の日和の檀の実(森 澄雄)
真弓の実持てば嶺越しの風の音(加藤楸邨)
合歓 〈ネム〉 コスモス、秋桜 〈コスモス、アキザクラ〉
総毛だち花合歓紅をぼかし居り(川端茅舎)
夕月や槐(えんじゅ)にまじる合歓の花(芥川龍之介)
コスモスの花あそびをる虚空かな(高浜虚子)
深情なき世となりぬ秋桜(鷹羽狩行)
薔薇-クリスタル 〈バラ、クリスタル〉 梅擬 〈ウメモドキ〉
紅薔薇に闇来ても紅そこにあり(鈴木真砂女)
背後より薔薇の一撃喜劇果つ(楠本憲吉)
賑やかに日のさしにけり梅擬(古賀まり子)
鵯(ひよどり)の去りしもゆらぐ梅もどき(水原秋桜子)
薔薇-ポーターローズ 〈バラ、ポーターローズ〉 山茱萸、秋珊瑚 〈サンシュユ、アキサンゴ〉
そこはかと薔薇の溜息らしきもの(後藤夜半)
咲き切つて薔薇の容(かたち)を越えけるも(中村草田男)
赤々と夕陽の燃えて秋珊瑚(たんと)
秋珊瑚ひとつ摘むのをよしとせむ(yama)
薔薇 〈バラ〉 紫苑 〈シオン〉
さきがけて薔薇の黄をとどけねばならぬ(宇田喜代子)
なにごとか薔薇につぶやき薔薇を剪る(黒田杏子)
門柱に紫苑の丈も競ひ立ち(吉屋信子)
晴れ渡る天に紫苑の色を置く(稲畑汀子)
京鹿の子 〈キョウガノコ〉 時計草 〈トケイソウ〉
京鹿の子咲くと添水(そうず)のはずみけり(佐藤青陽人)
堪ふべしと母は堪へにき京鹿の子(及川 貞)
今生はアナログでよし時計草(平野きぬ子)
天国の刻をきざむや時計草(鷹羽狩行)
紫陽花、山紫陽花 〈アジサイ、ヤマアジサイ〉   
  紫陽花や大きな夢はばらばらに(加藤楸邨)
紫陽花となるまでのただ無色かな(平井照敏)
 
   
     2011③(7-9月)         2011④(10-12月)     


 2011①(1-3月)    2011②(4-6月)   
木瓜 〈ボケ〉 薔薇-アンジェラ 〈バラ、アンジェラ〉
浮雲の影あまた過ぎ木瓜ひらく(水原秋桜子)
木瓜咲きぬ歯と飯茶碗欠け持背で(秋本不死男)
椿-初嵐 〈ツバキ、ハツアラシ、シロツバキ〉 浮き釣り木 〈ウキツリボク、アプロチン、チロリアンランプ〉
暁剪る名「はつあらし」白椿(吉野義子)
回廊の雨したたかに白椿(横光利一)
椿-初嵐 〈ツバキ、ハツアラシ、ベニツバキ〉 鉄線、クレマチス 〈テッセン、クレマチス〉
紅椿こゝだく散りてなほ咲けり(日野草城)
口紅の初花ゆかし玉椿(上島鬼貫)
窓ひらく鉄線の花咲きわたり(山口青邨)
花びらをたたむ風あり鉄線花(松本紫苑)
椿-西王母 〈ツバキ、セイオウボ〉 石楠花 〈シャクナゲ、ニホンシャクナゲ〉
いろ淡き椿ばかりのあさがすみ(水原秋桜子)
風椿ふと静かなる芯黄なり(富安風生)
石楠花を隠さふ雲の急にして(阿波野青畝)
わが夢寐に石楠の花厚く溜る(金子兜太)
白侘助 〈ワビスケ、シロワビスケ〉 海老根-黄海老根 〈エビネ、キエビネ〉
侘助や独りの刻の真白に(加藤知世子)
侘助や神も悪魔もかく白し(長谷川秋子)
金色のえびね蘭なり西の峯(石脇みはる)
百姓の市に顔出す化偸草(えびね)かな(古館曹人)
山茶花 〈サザンカ〉 海老根-鳳凰海老根 〈エビネ、ホウオウエビネ〉
つくばひに散る山茶花の氷りけり(夏目漱石)
夕日くわつと山茶花に妻おどろきぬ(栗林一石路)
世の端の刻ゆるやかにえびね咲く(佐藤国夫)
杉山に燭をかかげて海老根咲く(青柳志解樹)
蝋梅 〈ロウバイ〉 碇草 〈イカリソウ〉
蝋梅や雪うち透す枝のたけ(芥川龍之介)
蝋梅や薄雪庭を刷きのこす(水原秋桜子)
碇草生れかはりて星になれ(鷹羽狩行)
錨草花がこんがらかつてゐる(清崎敏郎)
薮柑子 〈ヤブコウジ〉 チューリップ 〈チューリップ〉
冬青き苔の小庭や薮柑子(巌谷小波)
実が二つ尚ほ双葉にて薮柑子(中村草田男)
チューリップこみあげてくる色新鮮(三宅未夏)
黄の音符赤の音符やチューリップ(佐藤多太子)
西洋桜草 〈サクラソウ、セイヨウサクラソウ〉 踊子草-黄花踊子草 〈オドリコソウ、キバナオドリコソウ〉
このところいゝことづくめ桜草(久保田万太郎)
凍る夜を花もこぼさず桜草(渡辺水巴)
摘みし手に踊子草ををどらせて(前畑汀子)
翻へるチヨゴリの裾や踊子草(大石悦子)
寒木瓜 〈カンボケ〉 椿-玉の浦 〈ツバキ、タマノウラ〉
寒木瓜のほとりにつもる月日かな(加藤楸邨)
其(その)愚には及ぶべからず木瓜の花(夏目漱石)
仰向きに椿の下を通りけり(池内たけし)
いま一つ椿落ちなば立ち去らん(松本たかし)
水仙 〈スイセン〉 アーモンド 〈アーモンド〉
よぢれゐて水仙の葉の美しく(上村占魚)
松過ぎの水仙さびし木瓜活けよ(永井龍男)
アーモンド花咲く頃にまた訪はん(鷹羽狩行)
サボテンへしなだれかかりアーモンド咲く(夏石番矢
2011①(1-3月)  2011②(4-6月)


 2010③(7-9月)     2010④(10-12月)    
アメリカ花水木 〈ハナミズキ、アメリカハナミズキ〉  寒椿、這い寒椿 〈ツバキ、ハイカンツバキ〉 
 
 
  下むきに咲きそる花や寒椿(星野立子)
寒椿力を入れて赤を咲く(正岡子規) 
アメリカンブルー 〈アメリカンブルー〉  喇叭水仙 〈スイセン、ラッパズイセン〉 
 
 
  水仙の日なた日かげのある一花(大橋敦子)
呼吸は吐くことが大事や水仙花(石田波郷) 
高砂百合 〈ユリ、タカサゴユリ〉  山茶花-御美衣 〈サザンカ、オミゴロモ〉 
  うつむいた怨みはやさし百合の花(正岡子規)
ひだるさをうなづきあひぬ百合の花(各務支考) 
  また逢へた山茶花も咲いてゐる(種田山頭火)
山茶花のこゝろを書斎と定めたり(正岡子規) 
金糸梅 〈キンシバイ〉  千両 〈センリョウ〉
  朝々の馬場のまはりの金糸梅(長谷川双魚)
金糸梅水のひかりをためらはず(六角文夫)
 
  名は千両といふ明るくて寂しくて(有働亨)
半日にして千両の啄まれ(木内彰志) 
七変化、ランタナ 〈シチヘンゲ、ランタナ〉  烏瓜 〈カラスウリ〉 
  とく老いし童心に七変化(深迂(MIU)) 
=Für ein kindliches, bereits gealrertes Herz, das Wandelröschen
  うら枯れていよいよ赤し烏瓜(炭 太祇)
烏瓜もてばモジリアニの女(有馬朗人) 
苦瓜、蔓荔枝、ゴーヤー 〈ニガウリ、ツルレイシ、ゴーヤー〉  薔薇-プリンセス・ドゥ・モナコ 〈バラ、プリンセス・ドゥ・モナコ〉 
  雨激しゴーヤーが疣とがらせる(松田秀一)
家々によき年寄や瓜の花
(森 澄雄)
  秋薔薇や彩を尽して艶ならず(松根東洋城)
薔薇匂ふ戴冠の式遥かに今(長谷川かな女) 
瑠璃茉莉 〈ルリマツリ、プルムバーゴ〉  茶花 〈チャ、チャバナ〉 
  瑠璃色の地球も花も宇宙の子(山崎直子)
…この年4月20日宇宙より帰還した作者の、話題の一句 …
  茶の花や雨にぬれたる庭の石(正岡子規)
茶の花や身にちかく冬が来てゐる(種田山頭火) 
山百合 〈ヤマユリ〉  秋明菊、貴船菊 〈シュウメイギク、キフネギク〉 
  ぽったりと百合ふくれゐる縁の先(室生犀星)
百合一枝あまりに短く折にけり(会津八一) 
  貴船菊その名を知りてより親し(三木朱城)
長雨の皆下向きに貴船菊(寺田順子) 
薔薇-デインティ・ベス 〈バラ、デインティ・ベス〉  萩 〈ハギ〉 
  薔薇開き今宵の団扇新しき(中村汀女)
薔薇に雷ややありて虚を衝かれけり(下村槐多) 
  見る人に少しそよぎて萩の花(高浜虚子)
ゆつくり歩かう萩がこぼれる(種田山頭火) 
百合 〈ユリ〉  木通、通草 〈アケビ〉 
  ひだるさをうなづきあひぬ百合の花(各務支考)
起こり来る事を待ちつつ百合を見る(高浜虚子) 
  愛想にほかり口明く木通かな〈小林一茶)
つゆじもに冷えにぞ冷えし通草くふ(芝 不器男) 
下野草 〈シモツケソウ〉  鷺草 〈サギソウ〉 
  下野草雲の中よりフト現る(加藤耕子)
下野草雲のごとくに咲いてをり(飴山実) 
  鷺草の残り少なく白澄みぬ(石田波郷)
鷺草の花の窺ふ方位かな(後藤夜半) 
薔薇-ピース 〈バラ、ピース〉  玉簾、四季水仙 〈タマスダレ、シキズイセン〉 
  朝風に薔薇惜しみなく香を放つ(木下夕爾)
薔薇いけて君は昼寝をするやらん(会津八一) 
  - 
薔薇-チャールストン 〈バラ、チャールストン〉  花虎の尾 〈ハナトラノオ〉 
          雨に佇ち薔薇の愁ひを盗みけり(中村明子)
惜しみなく剪り来てバラの香の新た(中村汀女)     
           -        
2010③(7-9月)  2010④(10-12月) 


 2010①(1-3月)    2010②(4-6月)    
雪割草、州浜草 〈ユキワリソウ、スハマソウ〉  薔薇 〈バラ、ソウビ〉   
   雪割草古き落葉のかげに咲く(山口青邨)
日だまりに母の好みし州浜草(岡野かほる)   
  一輪の薔薇を崩せる走り梅雨(西本一郎)
雨に剪る薔薇の色のこぼれつゝ(稲畑汀子)    
繁縷 〈ハコベ、ハコベラ〉      薔薇-ローテローゼ 〈バラ、ローテローゼ〉     
   カナリヤの餌に束ねたるはこべ哉(正岡子規)
はこべらの石を包みて盛上る(高浜虚子)   
  ぬれいろに夜昼となく緋薔薇さく(飯田蛇笏)  
父の日の薔薇を抱きて見せしこと(後藤夜半)  
桜草 〈サクラソウ〉      石斛 〈セッコク〉     
   このところいゝことづくめ桜草(久保田万太郎)
我が朝(ちょう)[国]は草もさくらを咲にけり(小林一茶)   
  石斛の花を宿してみな古木(古沢京)  
妹のコール清
(すが)しき石斛の花  
待雪草、スノードロップ 〈マツユキソウ、スノードロップ〉      石楠花-屋久島 〈シャクナゲ、ヤクシマ〉     
   スノードロップ乳色の露 地より湧く(田川節代)
五十年経てなお慕う人がありスノードロップの淡いため息(鳥海昭子)   
  石楠花や山深く来て雲の雨(吉田冬葉)
石楠花に手を触れしめず霧通ふ(臼田亜浪)    
福寿草 〈フクジュソウ〉      卯の花 〈ウノハナ〉     
   福寿草ひらききつたりまぶしかり(細見綾子)
地の果に咲きほほけゐし福寿草(稲畑汀子)   
  卯の花のこぼるゝ蕗の広葉哉(与謝蕪村)
卯の花にぱつとまばゆき寝起きかな(杉山杉風)    
春サフラン、クロッカス〈春サフラン、クロッカス〉  クレマチス 〈クレマチス〉  
  日が射してもうクロッカス咲く時分(高野素十)
クロッカス地に花置きし如くなり(高浜
年尾)
  クレマチス雨のつれなき暮色かな(小川綾子)
クレマチス伸びやかに人招き入れ(田島由江) 
雪割草、三角草 〈ユキワリソウ、ミスミソウ〉  小手毬 〈コデマリ〉  
  雪割草に跔むや兄も妹も(山田みづえ)
みんな夢雪割草がさいたのね(三橋鷹女) 
  こでまりや耐ふるかぎりの雨ふくませ(前田しげ子) 
舟そぞろ大手毬ゆれ小手毬ゆれ(阿波野青畝)
赤侘助 〈ワビスケ、アカワビスケ〉  日本石楠花-佐渡 〈シャクナゲ、ニホンシャクナゲ、サド〉  
  侘助は横向き君は横坐り(奥田筆子)
侘助の唇ほどの開花かな(浜田南風) 
  空の深ささびし石楠花さきそめぬ(角川源義)
石楠花にやさしかりけり朝の風(駒走松恵)
 
椿-赤寺  〈ツバキ、アカデラ〉  日本石楠花-隠岐 〈シャクナゲ、ニホンシャクナゲ、オキ〉  
  造花又赤を好むや赤椿(高浜虚子)
紅椿こゝだく散りてなほ咲けり(日野草城) 
  石楠花に馬酔木に蜂のつく日かな(原 石鼎)
石楠花を咲かせ定年きらきらす(中山和子)
椿-秋の山 〈ツバキ、アキノヤマ〉   紫木蓮 〈シモクレン〉  
  人仰ぐ我家の椿仰ぎけり(高野素十)
うつし世に浄土の椿咲く姿(水原秋櫻子) 
  紫木蓮くらき生家に靴脱ぐも(角川源義)
戒名は真砂女でよろし紫木蓮(鈴木真砂女)
 
椿-大白玉 〈ツバキ、オオシロタマ、シロツバキ〉   三椏 〈ミツマタ〉 
  白椿昨日の旅の遥かなる(中村汀女)
葉籠りに咲き初めにけり冬椿(高浜虚子) 
  三椏や皆首垂れて花盛り(前田普羅)
三椏の花三三が九三三が九(稲畑汀子 
芙蓉酢漿草、オキザリス 〈フヨウカタバミ、オキザリス〉   クリスマスローズ 〈クリスマスローズ〉 
  オキザリス満ちし玄関三輪車(宮島千生)
片思ひならば簡単オキザリス(津高里永子) 
  クリスマスローズ仰向くことのなく(椋本一子)
通るたびクリスマスローズ首起こす(田口素子) 
冬薔薇、薔薇 〈フユバラ、バラ〉   馬酔木 〈アセビ、アシビ〉 
  冬ばらの蕾の日数重ねをり(星野立子)
冬薔薇の咲くほかはなく咲きにけり(日野草城) 
  馬酔木あり鹿の背摺りに鈴さわぐ(阿波野青畝)
花房は涙壺かも花馬酔木(大堀柊花) 
2010①(1-3月)  2010②(4-6月) 


2009③(7-9月)  2009④(10-12月)
酔芙蓉 〈スイフヨウ〉 薔薇 〈バラ、ソウビ、フユソウビ〉
白といふはじめの色や酔芙蓉(鷹羽狩行)
補陀落といふまぼろしに酔芙蓉(角川春樹)
冬薔薇一輪風にもまれをり(高浜虚子)
冬の薔薇すさまじきまで向うむき(加藤楸邨)
女郎花 〈オミナエシ〉 山茶花 〈サザンカ〉
よろよろは我もまけぬぞ女郎花(小林一茶)
蟷螂もおなじ黄色や女郎花(阿波野青畝)
山茶花の咲いてことしも師走かな(久保田万太郎)
山茶花のこぼれけり菊の枯るる上に(森 鷗外)
萩 〈ハギ〉 千両 〈センリョウ〉
白露をこぼさぬ萩のうねりかな(松尾芭蕉)
首あげて折々見るや庭の萩(正岡子規)
初声の鵯よ千両食べてゆけ(大島翠木)
一両がほどの明るさ実千両(足立幸信)
百日紅 〈サルスベリ、ヒャクジッコウ〉 椿-西王母 〈ツバキ、セイオウボ〉
百日紅いつからとなく咲きつづく(稲畑汀子)
いつの世も祷りは切や百日紅(中村汀女)
古庭に茶筌花さく椿かな(与謝蕪村)
お見舞いは西王母てふ紅椿(田畑美穂女)
秋海棠 〈シュウカイドウ〉 美男葛、狭根葛 〈ビナンカズラ、サネカズラ〉
病める手の爪美しや秋海棠(杉田久女)
蕊の黄を堅く啣みぬ秋海棠(富安風生)
行きすぎて戻りて美男葛の実(川崎展宏)
さねかづら深く蔵せば好きな垣(阿波野青畝)
花魁草 〈オイランソウ〉 薔薇 〈バラ、アキバラ〉
揚羽蝶おいらん草にぶら下る(高野素十)
おいらん草に情熱もゆるかなしかり(三橋鷹女)
秋薔薇や彩を尽して艶ならず(松根東洋城)
一輪となり秋薔薇よく匂ふ(黛 まどか)
鷺草 〈サギソウ〉 野紺菊 〈ノコンギク〉
鷺草のおくれ咲きしも翔けそろふ(水原秋桜子)
風が吹き鷺草の皆飛ぶが如(高浜虚子)
野紺菊狐に枕縫うてやろ(大石悦子)
ふだん着の母より知らず野紺菊(松本敏子)
山百合 〈ユリ、ヤマユリ〉 菊 〈キク、シラギク〉
ひだるさをうなづきあひぬ百合の花(各務支考)
夕月に山百合は香を争はず(飯田龍太)
白菊の目に立てゝ見る塵もなし(松尾芭蕉)
窓をあけて君に見せうず菊の花(夏目漱石)
紫酢漿草 〈カタバミ、ムラサキカタバミ〉 玻璃茉莉、デュランタ 〈ルリマツリ、デュランタ〉
かたばみに雨ぴちぴちと雀の子(矢島清男)
かたばみの花大足が踏んで過ぐ(河野友人)
紫陽花 〈アジサイ〉 宗旦木槿 〈ソウタンムクゲ〉
紫陽花の墨田の花火音立てず(大房帝子)
あぢさゐの中にあぢさゐらしからず(稲畑汀子)
東西に茶室宗旦木槿咲く(神蔵 器)
底紅の咲く隣にもまなむすめ(後藤夜半)
紫陽花 〈アジサイ〉 小紫式部、実紫 〈コムラサキシキブ、ミムラサキ〉
冷たしや式部の名持つ実むらさき(長谷川かな女)
女らは声深めゆく実むらさき(加藤知世子)
薔薇-プリンセス・ドゥ・モナコ 〈バラ、プリンセス・ドゥ・モナコ〉 金木犀 〈キンモクセイ〉
薔薇の香か今過ぎ行きし人の香か(星野立子)
咲き切って薔薇の容を越えけるも(中村草田男)
木犀や夕じめりたる石だたみ(芥川龍之介)
リア王の消えたあたりの金木犀(坪内稔典)
金蓮花、ナスタチウム 〈キンレンカ、ナスタチウム〉 紫紺野牡丹 〈ノボタン、シコンノボタン〉
口中の涼しきゆふべ金蓮花咲き衰へしをちぎつて食べて(和泉鮎子)
金蓮花かゞめば金の濃くなりぬ(草間時彦)
かくも名に咲きて野牡丹濃むらさき(大橋桜坡子)
2009③(7-9月)  2009④(10-12月) 


2009①(1-3月)   2009②(4-6月)
紺侘助 〈ワビスケ、コンワビスケ〉 百合 〈ユリ〉
侘助を剪るとて客と共にいづ(水原秋桜子)
百合の蘂みなりんりんとふるひけり(川端茅舎)
百合折らむにはあまりに夜の迫りをり(橋本多佳子)
春蘭 紫陽花-城ケ島
春蘭の風をいとひてひらきけり(安住 敦)
雀ねらふ猫平然と春蘭嗅ぐ(長谷川かな女)
紫陽花や登れといへる如く階(星野立子)
紫陽花の葉に紛れたる蕾かな(稲畑汀子)
椿-赤寺 〈ツバキ、アカデラ〉 石榴 〈ザクロ、ハナザクロ〉
笠へぽつとり椿だつた(種田山頭火)
軒下の破れ櫃に散る石榴かな(高浜虚子)
花石榴雨きらきらと地を濡らさず(大野林火)
椿-太郎冠者 〈ツバキ、タロウカジャ〉 皐月 〈サツキ〉
この有楽侘助といふ思ひ出も(稲畑広太郎)
いちりん挿の椿いちりん(種田山頭火)
襖除(と)り杜鵑花(さつき)あかりに圧されけり(阿波野青畝)
親切な心であればさつき散る(阿波野爽波)
椿-秋の山 〈ツバキ、アキノヤマ〉 紫蘭 〈シラン〉
葉にそむく椿の花やよそ心(松尾芭蕉)
君知るや薬草園に紫蘭あり(高浜虚子)
雨を見て眉重くゐる紫蘭かな(岡本 眸)
椿-三河 〈ツバキ、ミカワ〉 車輪梅 〈シャリンバイ〉
老いながらつばきとなつて踊りけり(三橋鷹女)
咲きのこりつつ惻々と車輪梅(河合凱夫)
車輪梅父の紬を着てみるか(高島征夫)
水仙 〈スイセン〉 菫 〈スミレ〉
水仙にさはらぬ雲の高さ哉(正岡子規)
いとほしむ花弁の塵や水仙花(会津八一)
石垣に遠き日のあり菫草(青柳志解樹)
菫程な小さき人に生れたし(夏目漱石)
鉄線花、クレマチス 〈テッセンカ、クレマチス〉 日本石楠花-佐渡 〈シャクナゲ、ニホンシャクナゲ、サド〉
鉄線がどかんと咲いて雨上がる(わたなべじゅんこ)
テロの世に雨しろじろと鉄線花(金子兜太)
石楠花は日蔭をよしと盛りなる(高浜虚子)
石楠花の紅ほのかなる微雨の中(飯田蛇笏)
椿-茶々姫 〈ツバキ、チャチャヒメ〉 日本桜草 〈サクラソウ、ニホンサクラソウ〉

我が朝(ちょう)[国]は草もさくらを咲にけり(小林一茶)
少女の日今はた遠く桜草(富安風生)
白侘助 〈ワビスケ、シロワビスケ〉 翁草 〈オキナグサ〉 
箒手に侘助咲くと呼びにけり(吉屋信子)
侘助の莟の先に止まる雪(松本たかし)
土の春のなにかたのしく翁草(飯田蛇笏)
もじやもじやの四月が終る翁草(佐藤鬼房)
千両 〈センリョウ、ミセンリョウ〉 ムスカリ、グレープヒヤシンス 〈ムスカリ、グレープヒヤシンス〉
いくたび病みいくたび癒えき実千両(石田波郷)
わが庭のもの千両も万両も(森 澄雄)
かたまりてムスカリ古代の色放つ(青柳照葉)
ムスカリや一つぶ一つぶ夢の玉(加藤 潤…小6)
椿-初嵐 〈ツバキ、ハツアラシ〉 アネモネ 〈アネモネ〉
赤い椿白い椿と落ちにけり(河東碧梧桐)
混沌の世の一隅の白椿(吉野義子)
手のアネモネ闇ばかりゆく灯の電車(中村草田男)
アネモネを呉れと人来て戸を叩く(前田普羅)
山茶花-根岸 〈サザンカ、ネギシ〉 桜 〈サクラ〉
山茶花の縁にこぼるる日和哉(正岡子規)
薄氷や山茶花散り込む手水鉢(寺田寅彦)
去年も咲きことしも咲くや桜花(上島鬼貫)
さくら木に桜一杯つきにけり(室生犀星)
2009①(1-3月)   2009②(4-6月) 


2008③(7-9月)   2008④(10-12月)
薮欄 〈ヤブラン〉 万両 〈マンリョウ、ミマンリョウ〉

万両に啄み余す色見ゆる(稲畑汀子)
垂訓のごとくに垂れて実万両(鷹羽狩行)
赤まんま 〈アカマンマ〉 オキザリス、西洋酢漿草 〈オキザリス、カタバミ、セイヨウカタバミ〉
此辺の道はよく知り赤のまゝ(高浜虚子)
手にしたる赤のまんまを手向草(富安風生)
幸福といふ不幸ありオキザリス(石 寒太)
薊 〈アザミ〉 屁屎葛 〈ヘクソカズラ〉
世をいとふ心薊を愛すかな(正岡子規)
岩が岩に薊咲かせてゐる(種田山頭火)
ブルーベリー 〈ブルーベリー〉 ブルークローバー 〈ブルークローバー〉


露草、蛍草、月草 〈ツユクサ、ホタルグサ、ツキクサ〉 菊 〈キク〉
つゆくさや飯くふまでの門あるき(杉田久女)
くきくきと折れ曲がりけり蛍草(松本たかし)
菊うらら翅あれば出て飛ばぬなき(篠田悌二郎)
寄り添へば菊華やげり去れば澄み(星野立子)
瑠璃茉莉 〈ルリマツリ〉 皇帝ダリヤ 〈コウテイダリヤ〉


ペチュニア 〈ペチュニア〉 秋明菊 〈シュウメイギク〉
夕風やペチュニア駄々と咲きつづけ(八木林之助)

ミソハギ、千屈菜、精霊花 〈ミソハギ、ショウリョウカ〉 背高泡立草 〈セイタカアワダチソウ〉
みそ萩や母なきあとの母がはり(稲垣きくの)
千屈菜の群れ咲く波の声もなし(石原八束)
背高泡立草 鉄砲隊をひた隠し(星野紗一)
ダムとなる村とは知らず泡立草(北村周子)
凌霄花 〈ノウゼンカズラ〉 藤袴 〈フジバカマ〉
凌霄や温泉の宿の裏二階(正岡子規)
藤袴白したそがれ野を出づる(三橋鷹女)
すがれゆく色を色とし藤袴(稲畑汀子)
梔子 〈クチナシ〉 コスモス 〈コスモス〉
薄月夜花くちなしの匂いけり(正岡子規)
今朝咲きしくちなしの又白きこと(星野立子)
コスモスのよく動きゐる花の数(高浜虚子)
コスモスの色の分れ目通れそう(稲畑汀子)
未央柳 〈ビオウヤナギ〉 杜鵑草 〈ホトトギス〉
又きかれ未央柳と又答へ(星野立子)
彼女眉目よし未央柳をむざと折る(高浜虚子)
紫の斑の賑しや杜鵑草(轡田 進)
杜鵑草思ひ出多き人は亡き(長谷川せつ子)
柏葉紫陽花 〈カシワバアジサイ〉 白花杜鵑草 〈シロバナホトトギス〉


紫陽花-墨田の花火 〈アジサイ、スミダノハナビ〉 チェリーセイジ 〈チェリーセイジ〉
あぢさゐの中にあぢさゐらしからず(稲畑汀子)
紫陽花に佇んで胸濡らしけり(黛 まどか)
2008③(7-9月)    2008④(10-12月) 


2008①(1-3月)  2008②(4-6月)
スノーフレーク、大松雪草 〈スノーフレーク、オオマツユキソウ〉 紫陽花-黒姫山 〈アジサイ、クロヒメヤマ〉
スノーフレーク マリア座像をうち囲み(上村占魚)
スノーフレーク子とその子らを迎へけり(市村究一郎)
紫陽花に雨きらきらと蠅とべり(飯田蛇笏)
あぢさゐやきのふの手紙はや古ぶ(橋本多佳子)
沈丁花 〈ジンチョウゲ〉 石斛 〈セッコク〉
古庭の古き匂ひや沈丁花(正岡子規)
庭石に花こぼしをり沈丁花(富安風生)
石斛や朝雲ひかる峰の寺(高田蝶衣)
石斛の花海境(うなさか)の照りわたり(黒田杏子)
クリスマスローズ 〈クリエスマスローズ〉 山法師 〈ヤマボウシ〉
クリスマスローズ気難しく優しく(後藤比奈夫〉
朝鳥に花ちりばめつ山法師(水原秋桜子)
山法師又十字欠け又散れり(阿波野青畝)
仏の座 〈ホトケノザ〉 姫卯木 〈ヒメウツギ、ウノハナ〉
雑草と呼ばずにおくれ仏の座(ブログより たんと氏)
仏の座光の粒の来て泊まる(ふけ としこ)
卯の花は日をもちながら曇りけり(加賀千代女)
顔入れて馬の涼しや花卯木(前田普羅)
水仙 〈スイセン〉 薔薇 〈バラ〉
其のにほひ桃より白し水仙花(松尾芭蕉)
水仙の咲よく見ゆる凹み哉(小林一茶)
この薔薇のための真紅と思ふほど(今橋真理子)
紅薔薇に闇来ても紅そこにあり(鈴木真砂女)
万作 〈マンサク〉 山芍薬 〈ヤマシャクヤク〉
まんさくや小雪となりし朝の雨(水原秋桜子)
まんさくや中也詩集の染み一つ(火村卓造)
山芍薬霧より白き珠を解く(木下ふみ子)
やはらかに闇に花閉づ山芍薬(伊藤敏子)
梅 〈ウメ〉 海老根-鳳凰 〈エビネ、ホウオウ〉
傘さして梅に灯ともす石灯籠(佐藤紅緑)
勇気こそ地の塩なれや梅真白(中村草田男)
わが庭にいついづこよりえびね草(富安風生)
しづけさの光とどめてえびね咲く(高原初子)
梅 〈ウメ〉 二輪草 〈ニリンソウ〉
丸髷に結ふや咲く梅紅(くれない)に(夏目漱石)
いと赤き梅や鶏鳴いて日午(にちご)なり(河東碧梧桐)
一花は妹のをさなさ二輪草(堀口星眠)
片雲やこぼしてゆきし二輪草(矢島渚男)
蝋梅 〈ロウバイ〉 日本石楠花-佐渡 〈シャクナゲ、ニホンシャクナゲ、サド〉
風往き来して蝋梅のつやを消す(長谷川双魚)
蝋梅を透けし日射しの行方なし(後藤比奈夫)
石楠花や水櫛あてし髪しなふ(野澤節子)
南天、実南天 〈ナンテン、ミナンテン〉 木通、通草 〈アケビ〉
南天の実太し鳥の嘴に(高浜虚子)
寒菊に南天の実のこぼれけり(加藤暁台)
海鳴れり通草も黒き花を垂れ(相生垣瓜人)
すぐ聞かぬもののしづけき花通草(加藤知世子)
万年青 〈オモト〉 木瓜 〈ボケ〉
初雪の見事に降れり万年青の実(村上鬼城)
寒の雨色となりたる万年青の実(松本島春)
初旅や木瓜もうれしき物の数(正岡子規)
口ごたへすまじきと思ふ木瓜の花(星野立子)
寒牡丹 〈カンボタン〉 ヒマラヤ雪の下 〈ヒマラヤユキノシタ〉
ひうひうと風は空ゆく冬牡丹(上島鬼貫)
寒牡丹つめたき風をよろこびぬ(黒田杏子)
福寿草 〈フクジュソウ〉 叡山菫 〈スミレ、エイザンスミレ〉
福寿草家族のごとくかたまれり(福田蓼汀)
日記まだ何も誌さず福寿草(遠藤梧逸)
かたまつて薄き光の菫かな(渡辺巴水)
方言かなし菫に語り及ぶとき(寺山修司)
2008①(1-3月)  2008②(4-6月) 


2007③(7-9月)  2007④(10-12月)
紅蜀葵 〈コウショクキ、モミジバアオイ、モミジアオイ〉 万両 〈マンリョウ〉
紅蜀葵肱まだとがり乙女達(久保田万太郎〉
やむけしきなき雨となり紅蜀葵(中村草田男)
万両も手水鉢も高からず(阿波野青畝)
万両や着丈合ひたる借衣裳(飯田龍太)
宗旦木槿、底紅 〈ムクゲ、ソウタンムクゲ、ソコベニ〉 常盤山査子、ピラカンサ 〈トキワサンザシ、ピラカンサ〉
東西に茶室宗旦木槿咲く(神蔵 器)
底紅の咲く隣にもまなむすめ(後藤夜半)
ピラカンサ目立つばかりの庭となり(須藤常央)
腕白の頃の赤さにピラカンサ(坊城としあつ)
高砂百合 〈ユリ、タカサゴユリ〉 楠の実 〈クスノミ〉
俯向きし百合に雨降る垣根哉(高桑闌更)
百合の花超然として低からず(高屋窓秋)
楠の根を静かにぬらす時雨かな(与謝蕪村)
蓮 〈ハス〉 山茶花 〈サザンカ〉
蓮の香や水を離るる茎一寸(与謝蕪村)
黎明の雨はらはらと蓮の花(高浜虚子)
山茶花や日日蘂の黄のみだれ(滝井孝作)
山茶花の散りしく木の間くらきかな(久保田万太郎)
衣笠菊、ルドベキア 〈キヌガサギク、ルドベキア〉 薔薇-羽衣 〈バラ、ハゴロモ〉


薔薇剪って短き詩を作りける(高浜虚子)
朝顔 〈アサガオ〉 薔薇-ダイアナ 〈バラ、ダイアナ〉
朝がほや一輪深き渕の色(与謝蕪村)
朝顔にあさつての莟多きかな(小林一茶)
薔薇崩る激しきことの起る如(橋本多佳子)
凌霄花 〈ノウゼンカズラ〉 薔薇-光彩 〈バラ、コウサイ〉
雨のなき空へのうぜん咲きのぼる(長谷川素逝)
塵取りに凌霄の花と塵すこし(高野素十)
秋薔薇や彩を尽して艶ならず(松根東洋城)
薔薇熟れて空は茜の濃かりけり(山口誓子)
山百合 〈ヤマユリ〉 菊 〈キク〉
山百合を捧げて泳ぎ来る子あり(富安風生)
悲しがる秋を目出度ふ菊の花(各務支考)
くれといへばしたたかくれし小菊哉(正岡子規)
花魁草 〈オイランソウ〉 菊 〈キク〉
黒揚羽花魁草にかけり来る(高浜虚子)
花魁草外人墓地に咲き出でし(岡本 眸)
黄菊白菊其外の名は無くも哉(がな) (服部嵐雪)
黄菊白菊酒中の天地貧ならず(夏目漱石)
浮釣木、アプロチン 〈ウキツリボク、アプロチン〉 秋海棠 〈シュウカイドウ〉

秋海棠西瓜の色に咲にけり(松尾芭蕉)
節々に秋海棠の紅にじみ(高浜虚子)
アガパンサス 〈アガパンサス〉 薔薇-ノスタルディ 〈バラ、ノスタルディ〉

針ありて蝶に知らせん花薔薇(中川乙由)
薔薇咲かせ心の奢り失はず(稲畑汀子)
波斯菊、アメリカンコスモス 〈ハルシャギク、アメリカンコスモス〉 通草の実 〈アケビノミ〉

鳥飛んでそこに通草のありにけり(高浜虚子)
夕空の一角かつと通草揺れ(飯田龍太)
ピラミッド紫陽花 〈アジサイ、ピラミッドアジサイ〉 貴船菊、秋明菊 〈キブネギク、シュウメイギク〉


貴船菊一茎生けし直指庵(じきしあん)(右白暮石)
  貴船菊、秋明菊 〈キブネギク、シュウメイギク〉 
      菊の香や垣の裾にも貴船菊(水原秋桜子)
観音の影のさまなる貴船菊(阿部みどり女) 
2007③(7-9月)    2007④(10-12月) 


2007①(1-3月)  2007②(4-6月)
竜金花 〈リュウキンカ〉 大山蓮華 〈オヤマレンゲ〉

恍惚と不安大山蓮華咲く(八木柊一郎)
袱紗解くごとく大山蓮華咲く(杉浦聖樹)
雪割草 〈ユキワリソウ〉 梅花空木 〈バイカウツギ〉
雪割草古き落葉のかげに咲く(山口青邨)
みんな夢雪割草が咲いたのね(三橋鷹女)
胡蝶侘助、赤侘助 〈ワビスケ、コチョウワビスケ、アカワビスケ〉 薔薇 〈バラ、ピース〉
侘助の咲きかはりたる別の花(富安風生)
胡蝶侘助とは愛らしと手にとりぬ(斎藤小波)
薔薇の香の紛々として眠られず(正岡子規)
薔薇よりも淋しき色にマッチの焔(金子兜太)
薮椿 〈ツバキ、ヤブツバキ〉 薔薇 〈バラ〉
落ちざまに水こぼしけり花椿(松尾芭蕉)
椿落ちて昨日の雨をこぼしけり(与謝蕪村)
番傘の軽さ明るさ薔薇の雨(中村汀女)
薔薇熟れて空は茜の濃かりけり(山口誓子)
侘助-三河 〈ワビスケ、ミカワ〉 石楠花-屋久島 〈シャクナゲ、ヤクシマ〉
侘助のひとつの花の日数かな(阿波野青畝)

石楠花によき墨とどき機嫌よし(杉田久女)
椿-赤寺 〈ツバキ、アカデラ〉 石楠花-隠岐 〈シャクナゲ、オキ〉
造花また赤を好むや赤椿(高浜虚子)
椿赤く酔へばますます赤し(種田山頭火)
石楠花や朝の大気は高嶺より(渡辺水巴)
侘助-初雁 〈ワビスケ、ハツカリ〉 梅花錨草 〈イカリソウ、バイカイカリソウ〉
侘助や障子の内の話声(正岡子規)
錨草生れかはりて星になれ(鷹羽狩行)
袈裟とつて尼が近づくいかり草(梶浦さだ)
桜草 〈サクラソウ〉 錨草 〈イカリソウ〉
我が朝(ちょう)[国]は草もさくらを咲にけり(小林一茶)
まのあたり天降りし蝶や桜草(芝 不器男)
錨草山に咲き出て海の色(高橋悦男)
錨草花がこんがらかつてをる(清崎敏郎)
水仙 〈スイセン〉 勿忘草 〈ワスレナグサ〉
初雪や水仙の葉のたわむまで(松尾芭蕉)
水仙や束ねし花のそむきあひ(中村汀女)
小さう咲いて勿忘草や妹が許(村上鬼城)
まさに瑠璃 富士を前なる勿忘草(中村草田男)
百両、唐橘 〈ヒャクリョウ、カラタチバナ〉 蜆花 〈シジミバナ〉


千両 〈センリョウ〉 三葉躑躅 〈ツツジ、ミツバツツジ〉
千両か万両か百両かも知れず(星野立子)
吾子の瞳(め)に緋躑躅宿るむらさきに(中村草田男)
庭つつじ庭師の刈りし通り咲く(高田風人子)
万両 〈マンリョウ〉 セロジネ 〈セロジネ〉
万両や癒えむためより生きるため(石田波郷)
雪染めて万両の紅あらはるる(鈴木宗石)
オキザリス、西洋酢漿草 〈オキザリス、セイヨウカタバミ〉 アネモネ、牡丹一華 〈アネモネ、ボタンイチゲ〉
幸福といふ不幸ありオキザリス(石 寒太)
野に埋もる地雷のいくつオキザリス(島 青桜)
アネモネの花くつがへしをるは虻(高野素十)
アネモネやひとりのお茶のしづごころ(日野草城)
2007①(1-3月)  2007②(4-6月)


2006③(7-9月)  2006④(10-12月)
屁屎葛 〈ヘクソカズラ〉 寒椿、冬椿 〈カンツバキ、フユツバキ〉
名をへくそかづらとぞいふ花盛り(高浜虚子)
寒椿つひに一日をふところに(石田波郷)
火とぼして幾日になりぬ冬椿(加賀一笑)
女郎花 〈オミナエシ〉 吊花 〈ツリバナ〉
兎角して一把に折りぬ女郎花(与謝蕪村)
手折りては甚(はなはだ)長し女郎花(炭 太祇)
千日坊主、千日紅 〈センニチボウズ、センニチコウ〉 パンパスグラス、白銀葭 〈パンパスグラス、シロガネヨシ〉


白銀の葭や異郷の月揺れて(絵馬)
紅葉葉縷紅草 〈ルコウソウ、モミジバルコウソウ〉 皇帝ダリア 〈ダリヤ、コウテイダリア〉

ダリア大輪崩れて雷雨晴れにけり(臼田亜浪)
千万年後の恋人へダリヤ剪る(三橋鷹女)
百日紅 〈サルスベリ〉 椿-大白玉 〈ツバキ、オオシラタマ〉
百日紅ごくごく水を呑むばかり(石田波郷)

トレニア、夏菫、花爪草、〈トレニア、ナツスミレ、ハナツメクサ〉 山茶花、原種山茶花 〈サザンカ、ゲンシュサザンカ〉

山茶花を雀のこぼす日和かな(正岡子規)
山茶花の花や葉の上に散り映えり(高浜虚子)
紅蜀葵 〈モミジバアオイ〉 大文字草 〈ダイモンジソウ〉


ピンクカサブランカ 〈カサブランカ〉 茶の花 〈チャ、チャノハナ〉
茶の花や黄にも白にもおぼつかな(与謝蕪村)
茶の花や身にちかく冬が来てゐる(種田山頭火)
山百合 〈ヤマユリ〉 キウイフルーツ 〈キウイフルーツ〉
夕風に山百合の皆動くこと(高浜虚子)
山百合にねむれる馬や靄の中(飯田蛇笏)
捩花 〈ネジバナ〉 木通、通草 〈アケビ〉

一夜さに棚で口あく木通かな(小林一茶)
あけびの実軽しつぶてとして重し(金子兜太)
ブッドレア、房藤空木 〈ブッドレア、フサフジウツギ〉 紫苑 〈シオン〉

紫苑咲き静かなる日の過ぎやすし(水原秋桜子)
野分して紫苑の蝶々けふはゐず(星野立子)
ブルーベリー 〈ブルーベリー〉 酔芙蓉 〈スイフヨウ〉


哀歓の常に酒あり酔芙蓉(福田蓼汀)
鹿の子百合 〈カノコユリ〉 コスモス、秋桜 〈コスモス、アキザクラ〉

コスモスに雨ありけらし朝日影(水原秋桜子)
風船をつれコスモスの中帰る(石原八束)
2006③(7-9月)    2006④(10-12月) 


2006①(1-3月)  2006②(4-6月)
山茱萸 〈サンシュユ〉 梅花空木 〈バイカウツギ〉
山茱萸にけぶるや雨も黄となんぬ(水原秋桜子)

満作-ルビー・グロー 〈マンサク〉 山紫陽花 〈アジサイ、ヤマアジサイ〉
まんさくに滝のねむりのさめにけり(加藤楸邨)
谷間谷間に満作が咲く荒凡夫(金子兜太)
紫陽花の末一色となりにけり(小林一茶)
紫陽花やはなだにかはるきのふけふ(正岡子規)
満作-アーノルド・プロミス 〈マンサク〉 薔薇-プリンセス・ドゥ・モナコ 〈バラ、プリンセス・ドゥ・モナコ〉

夢に入りたわやめとなる薔薇の花(日野草城)
手の薔薇に蜂来れば我王の如し(中村草田男)
山茱萸 〈サンシュユ〉 薔薇-アーサーヒーラー 〈バラ、アーサーヒーラー〉
山茱萸の既に黄の濃き蕾かな(高浜年尾)
さんしゅゆをいまの齢のよしとする(山口誓子)
心たる日の薔薇さはにひらきけり(木下夕爾)
乙女獲し如きかも薔薇を挿して臥す(石田波郷)
梅-白難波 〈ウメ〉 鈴蘭 〈スズラン〉
春もややけしきととのふ月と梅(松尾芭蕉)
白梅に明くる夜ばかりとなりにけり(与謝蕪村)
すずらんや葉蔭に咲いて隠れがち(村上鬼城)
鈴蘭の一輪ずつに風わたり(永 六輔)
梅 〈ウメ〉 石楠花-隠岐、佐渡 〈シャクナゲ、オキ、サド〉
梅一輪一輪ほどのあたたかさ(服部嵐雪)

石楠花の山気澄まして暮れゆくか(臼田亜浪)
蝋梅 〈ロウバイ〉 碇草 〈イカリソウ〉
蝋梅のつやを映しぬ薄氷(龍雨)
蝋梅のかをりやひとの家につかれ(橋本多佳子)
万両 〈マンリョウ〉 水芭蕉 〈ミズバショウ〉
万両は兎の眼もち赤きかな(加賀千代女)
座について庭の万両憑きにけり(阿波野青畝)
水芭蕉白き一弁ひろく垂れ(高野素十)
花と影ひとつに霧の水芭蕉(水原秋桜子)
寒牡丹 〈カンボタン〉 チューリップ 〈チューリップ〉
惨として驕らざるこの寒牡丹(高浜虚子)
葉桜のかぶさってくるチューリップ(中村汀女)
チューリップ喜びだけを持ってゐる(細見綾子)
寒牡丹 〈カンボタン〉 桜 〈サクラ〉
苞割れば笑みこぼれたり寒牡丹(高浜虚子)
そのあたりほのとぬくしや寒牡丹(高浜虚子)
さまざまのことおもひ出す桜哉(松尾芭蕉)
ちるさくらのこるさくらもちるさくら(良寛)
ミニシクラメン 〈シクラメン、ミニシクラメン〉 片栗、堅香子 〈カタクリ、カタカゴ)
みんな酔うてシクラメンの赤いの白いの(種田山頭火)
シクラメン花のうれひを葉にわかち(久保田万太郎)
片栗の一つの花の花盛り(高野素十)
水仙-テタ・テート 〈スイセン、テタ・テート〉 辛夷 〈コブシ〉
水仙や寒き都のここかしこ(与謝蕪村)
水仙の花のうしろの蕾かな(星野立子)
雉子一羽起ちてこぶしの夜明けかな(加舎白雄)
風の日のきおくばかりの花辛夷(千代田葛彦)
寒木瓜 〈カンボケ〉 土佐水木 〈トサミズキ〉
寒木瓜や先きのつぼみに花移る(及川 貞)
寒木瓜のひしと咲きゐてわれは遊び(中村汀女)
土佐みづき山茱萸も咲きて黄をきそふ(水原秋桜子)
土佐みづき仰ぎて星の息と合ふ(古賀まりこ)
2006①(1-3月)  2006②(4-6月) 


2005③(7-9月)  2005④(10-12月)
水引草 〈ミズヒキソウ〉 権萃 〈ゴンズイ〉
かひなしや水引草の花ざかり(正岡子規)


曼珠沙華、彼岸花 〈マンジュシャゲ、ヒガンバナ〉 花梨 〈カリン〉
曼珠沙華抱くほどとれど母恋し(中村汀女)
くらがりに傷つき匂ふくわりんの実(橋本多佳子)
くわりんの実 実教材につき盗るべからず(沢木欣一)
小葉擬宝珠 〈コバギボシ〉 南京黄櫨 〈ナンキンハゼ〉



雁金草 〈カリガネソウ〉 飯桐 〈イイギリ〉



メドウセイジ、サルビア・グァラニティカ 〈メソウセイジ、サルビア・…〉 山茶花 〈サザンカ〉



ぬばたま、檜扇 〈ヌバタマ、ヒオウギ〉 小菊 〈キク、コギクイ



百日紅 〈サルスベリ、ヒャクジッコウ〉 石蕗 〈ツワブキ、ツワ〉
咲き初めて忍ぶたよりも猿すべり(松尾芭蕉)
散れば咲き散れば咲きして百日紅(加賀千代女)
母我をわれ子を思ふ石蕗(中村汀女)
ふッつりと切つたる縁や石蕗の花
姫岩垂壮草 〈ヒメイワダレソウ〉 サルビア 〈サルビア〉



瑠璃茉莉 〈ルリマツリ〉 伽羅木 〈キャラボク〉


ラベンダー 〈ラベンダー〉 関屋の秋丁子 〈セキヤノアキチョウジ〉


桔梗 〈キキョウ〉 小紫、小式部 〈コムラサキ、コシキブ〉
紫のふつとふくらむ桔梗かな(正岡子規)
きりきりしやんとして咲く桔梗かな(小林一茶)
擬宝珠 〈ギボシ〉 カラミンサ 〈カラミンサ〉
絶壁にごぼし咲きむれ岩ぶすま(杉田久女)
虻入つてかくれ了せぬ花擬宝珠(高浜虚子)
南天 〈ナンテン〉
南天や米こぼしたる花のはて(横井也有)
南天の実になる花と思はれず(正岡子規)
 石榴 〈ザクロ、ハナザクロ〉  
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2005③(7-9月)  2005③(7-9月) 


 2005①(1-3月)  2005②(4-6月)
紅馬酔木 〈アセビ、ベニアセビ〉 沙羅 〈サラ〉


ヴィオラ 〈ヴィオラ〉 ミニばら 〈ミニバラ〉


西洋桜草 〈サクラソウ、セイヨウサクラソウ〉 どくだみ、十薬 〈ドクダミ、ジュウヤク〉
咲きみちて庭盛り上がる桜草(山口誓子)

ウィンターコスモス 〈ウィンターコスモス〉 瑠璃蝶草、ロベリア 〈ルリチョウソウ、ロベリア〉


薔薇 〈バラ〉



カルミア 〈カルミア〉


山保呂之 〈ヤマホロシ〉


難波茨 〈ナニワイバラ〉


新緑 〈シンリョク〉


三葉躑躅 〈ミツバツツジ〉


2005①(1-3月)  2005②(4-6月) 

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