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アカマンマ 2007年文教研秋季集会のご案内
---文教研秋季集会が11月11日(日)午後1:00より東京・世田谷の梅丘パークホールで開かれます。どなたにもご参加いただける公開研究集会です。---
  
 《統一テーマ》
    美しいものを、美しいままにケストナー『一杯の珈琲から』を読み合う

今年の秋季集会では、オーストリアがドイツに合併された1938年に、ケストナーがスイスで出版した作品『一杯の珈琲から』を取り上げます。ケストナーは、「この小さな本は1937年度のザルツブルク祝祭記念事業の期間中にわたしの頭の中で構想がまとまった」と、1949年版の「読者への序文」の中で書いています。

1937年、ケストナーはロンドンに亡命していた親友のヴァルター・トリアーから、オーストリアのザルツブルク音楽祭で再会しないか、という連絡をもらいます。ケストナーは、ぜひ会いたいと思いましたが、ナチスに二度も逮捕されていたのでビザを取得することは困難でした。でも、あきらめるわけにはいきません。そこで、「日帰りなら、ビザがなくても国境の往来をしてもいい」という特例を利用し、自分はドイツの国境近くに滞在し、オーストリアにいるトリアーに日帰りで会いにいくことにしました。こうして、ケストナーの小さな国境往来が始まります。

ケストナーは、この体験に基づいて『一杯の珈琲から』の世界を描きました。ザルツブルクの美しい景観、音楽祭におけるすばらしい演奏、真の大衆性から生まれた偉大な〈陽気な芸術〉
――モーツァルトへの感動、また、ザルツブルクを舞台として展開する、作家志望の青年ゲオルクと友人の画家カールとの友情、美しい娘コンスタンツェとゲオルクとの恋愛……。

この作品もまた、秋季集会でいままでに取り上げてきたケストナー作品(『雪の中の三人男』〈1934年刊〉・『消え失せた密画』〈1935年刊〉)と同様に、喜劇精神に貫かれた作品です。オーストリア併合、そして第二次世界大戦へと続いていくこの時期、ますます深まっていく危機的状況の中で、ケストナーの喜劇精神はどのように発揮されているのか、彼の求めた真の陽気さ・朗らかさとは何か。この作品を読み合いながらみんなで考えていきたいと思います。


  
集会要項 
《ゼミナール》ケストナー『一杯の珈琲から』の印象の追跡                                                  
日 時 2007年11月11日(日) p.m.1:00〜6:00受付 12:30〜)
会 場 東京・世田谷 北沢区民会館別館「梅丘パークホール」
          〒156-0043 東京都世田谷区松原6-4-1
          TEL. 03-5300-3220
             ○小田急線梅ヶ丘駅北口下車 徒歩1分
              (渋谷駅〜梅ヶ丘駅南口のバス便もあります)

                                 会場周辺地図
テキスト
  エーリヒ・ケストナー『一杯の珈琲から』 (小松太郎訳 創元推理文庫)
 

       ※テキストはご持参下さい。
       ※参考文献:
         ・文学教育研究者集団編『ケストナー文学への探検地図』(こうち書房)
         ・「文学と教育」 184,185-6(合併号),187,188-9(合併号),190,191,194,197〜204,206(最新号)

参加費 一般 2,000円  学生 1,000円
申込み手続き 申込み用紙(振込用紙を兼ねる)に必要事項を記入し、参加費を郵便局でお振込みください。
             (申込用紙は下記事務局にご連絡いただければお送りします。)
       ※当日、会場では金銭の受け渡しができません。事前にお申し込み下さい。   
申込み締切り 11月2日

問い合わせ、および申込み先 

    文教研事務局(画像)
 
 -----------多くの方のご参加をお待ちしています。-----------

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