※ おかげさまで無事終了しました。集会参加者の声

cut 文教研50周年記念 2008年秋季集会 ご案内

文学教育研究者集団主催の秋季集会が11月23日(日)午後1:00より千葉県館山市・たてやま夕日海岸ホテルで開かれます。どなたにもご参加いただける公開研究集会です。
  
 
  民話に学ぶ・民話を生かす『かさじぞう』(瀬田貞二・再話/赤羽末吉・画)の魅力

 いつのころからか、何代にもわたって語り伝えられてきた、民話の数々。それらに接することで、私たちは、民話を生んだ自然的・社会的風土を想像し、庶民の喜びと悲しみ、知恵と勇気、苦しみと願いを、豊かに準体験することができます。すぐれた民話は、時と所を超えて、現代を生きる私たちの心をとらえ、より良い明日へ向けての形象的思索を促します。

 民話は本来、口で語り耳で聞くかたちで伝承されてきたものです。その国・その地方の言葉で語られることで、話し手と聞き手の間に自然な一体感が生み出されたにちがいありません。けれども、そうした原初的な伝承形態の再現はきわめて困難です。民族や地域の違いを超えて、民話の持つ普遍的な価値を共有するためには、原作の発想や文体を生かした適切な翻訳や再話が求められます。

 私たちはこれまでに、『皇帝の新しい着物』(アンデルセン/大畑末吉訳)・『太陽は四角!』(レオンス・ブールリアゲ/塚原亮一訳)・『ドリトル先生アフリカゆき』(ロフティング/井伏鱒二訳)などたくさんの翻訳児童文学、『最後の授業』(アルフォンス・ドーデー/桜田佐訳)等に取り組んできました。翻訳文学も日本文学にほかならない、との考えに立ってのことです。この数年間のケストナー文学との格闘は、翻訳という仕事の重要性と課題をとりわけ強く感じさせるものでした。

 私たちはまた、絵本・絵物語を対象に、絵と言葉のそれぞれの機能を生かした教材化のあり方を追求してきました。それは、民話の特質を生かした再話のあり方を考え、教科書掲載作品の適否を問うことにもつながりました。私たちは、『おおきなかぶ』(内田莉莎子再話/佐藤忠良画)や『かさじぞう』(瀬田貞二再話/赤羽末吉画)を“絵本”で教室の子どもたちに、と提唱しました。しかし、この願いはまだ現実のものになっていません。

 今、日本の社会は、平和が脅かされ、生活不安が増大しています。高齢者はもとより、若者や子どもたちも未来に夢を抱きにくい状況にあります。こういう時だからこそ、民衆の喜怒哀楽を我がこととして実感し、生きることのすばらしさをイメージぐるみに体験できる文学が求められているのではないでしょうか。

 明日を担う子どもたちにすぐれた文学作品を媒介するのは、私たち大人の役割です。そしてその役割を果たすためには、作品の良し悪しを見極める目を持つことが不可欠です。みんなで作品を読み合う中で、媒介者としての確かな目を養いたい――、そう思って、私たちは文学教育研究を続けてきました。

 今年は文教研創立50周年に当たります。今回の秋季集会の会場となる千葉県館山市は、文教研第8回集会(1963年8月)・第15回集会(1967年8月)を安房文学教育の会との共催で開いた場所でもあります。南房総の自然と文化に触れながら、民話の魅力、再話の方法、教科書のあり方など、大いに語り合いたいと思います。

 多くの方々の御参加をお待ちしております。



集会要項 
《語  り》安房の民話        
@ 豊田由美子氏(南房総市・旧三芳村) 「若(わけ)ゃー衆(し)の柿盗み」
A 庄司民江氏(館山市) 「めらぼし」
 
《ゼミナール》『かさじぞう』の印象の追跡
※ 集会後、交流会(希望参加)

日 時 2008年11月23日(日) p.m.1:00〜5:30受付 12:30〜)
※ 交流会 p.m.6:30〜8:30
会 場 たてやま夕日海岸ホテル カトレアの間 (受付はロビーにて)
          〒294-0047 千葉県館山市八幡822 (TEL. 0470-23-8111)  会場案内HP 
※ 送迎バスは、a.m.12:30 館山駅東口発。
 〈交通〉
・電車 東京駅→(特急ビューさざなみ にて100分)館山駅西口
・高速バス 東京駅八重洲南口→(房総なのはな号 にて2時間15分)→館山駅
・車 東京→東京湾アクアライン→木更津南I.C.→富津中央I.C.(富津館山道路)
→富浦I.C.→国道127号(所要約2時間)
・フェリー 久里浜港→(東京湾フェリーにて35分)金谷港→国道127号→館山

テキスト 瀬田貞二・再話/赤羽末吉・画 『かさじぞう』 (福音館書店 こどものとも傑作集 743円+税) 
             ※ テキストはご持参下さい。

集会参加費 一般 2,000円  学生 1,000円

交流会と宿泊について
◇ 交流会 ・参加費 6,000円(夕食代を含む)
・参加ご希望の方は、集会申込みと同時にご予約ください。
・申込み用紙希望欄に記入の上、集会参加費・交流会参加費を合わせてお振込みください。

◇ 宿 泊 ・宿泊費  一泊朝食付き 8,400円夕食ご希望の方は 12,600円
・交流会参加の場合、参加費の中に夕食代が含まれます。(したがって、交流会参加のあと宿泊の場合、「一泊朝食付き8,400円」が適用されます。)
・一部屋十畳の和室。原則一部屋三人使用。個室をご希望の方は、その旨ご連絡ください。
・22日夜(集会前夜)、23日夜(当日夜)について承ります。申込み用紙希望欄にご記入ください。
・支払は当日ホテル側へ直接お願いいたします。
・ご不明な点は事務局までお問い合わせください。
申込み手続き 
申込み用紙(振込用紙を兼ねる)は事務局にご請求ください。
・申込み用紙に必要な事項を記入し、参加費(交流会参加の方は交流会費も含め)を郵便局でお振込みください。

締切日 11月14日(金)


問い合わせ、および申込み先 

    文教研事務局(画像)
                   

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