上記作品を取り上げるのは――例会予告(補足)
文教研のNです。
総会で話された今後の企画提案、先日お知らせしたような作品(上記)について、どういう関連の中で提案されたか、若干のコメントをお伝えしておこうと思います。
基本的には、ここ数年、全国集会テーマでも切り込んできたような、喜劇精神の問題、“笑い”の問題を深めていく、ということです。
そうした中で、芥川「河童」「馬の脚」といった作品をあらためて正面から取り上げてみてはどうか、というのが一案です。
Sさんが出席できる時期を考え、春合宿がどうかと考えています。
また、今年は太宰の生誕100年ということで、太宰作品を扱ってはどうかという提案もあり、全国集会の候補として「女生徒」が上がっています。
さらに、秋季集会でせっかく民話を取り上げたので、その面を深めていくために瀬田貞二再話『日本のむかしばなし』も候補にあげられました。
そして、これから春合宿までの時期は、少し冒険もできる時期なので、有吉佐和子「非色」を射程に、そこへいたる経過を見ていくために「ぷえるとりこ日記」を読んでみよう、ということになりました。この作品については I さんから、人間を階級的に見る視点が貫かれている作品だと思うし、大学生にも非常にインパクトのある作品だ、という意味のコメントがありました。
また、総会の場で、Iw さんから村上春樹を文教研の人たちと話し合ってみたい、という希望が出され、
可能であれば春合宿で扱おうという流れになりました。
Iw さんからは、作品として『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫)などの名前があげられましたが、
合宿で扱うことを考え、ご本人が実際高校の授業でこの二つを組み合わせてやっているという「沈黙」と「偶然の旅人」が候補としてあがったわけです。
村上春樹が高校生にインパクトがあるのはなぜか、考えたいということでした。
私も数年前、高校一年で「沈黙」を教材化したことがあります。
私の場合は自主課題として重松清『ナイフ』を読むことと抱き合わせでしたが、現場が男子校であったということも重なり、本を読むことが面白くなった、という感想が多く寄せられました。
私以外にも、三十代、四十代の教員には、村上春樹を教材化したいと考える人が多くいます。
ということで、2009年の文教研は、ますます面白くなりそうですよ!
【〈文教研メール〉2009.1.9 より】
|