バックナンバー
2001

・[2001.11.03]文教研ウェブサイト開設
・[2001.11.25]「文学と教育」第50回全国集会特集号発行
[2001.11.25]誌友 大内壽惠麿氏らのCD完成
[2001.11.30]
文教研・秋季集会終わる
・[2001.12.30]
戸坂潤の論文、大江健三郎の作品を検討。冬の合宿研究会     


文教研ウェブサイト開設 [2001.11.3]

2001年11月3日、文教研でもいよいよウェブサイト(当サイト)を開設しました。このサイトを通じ、できるだけ多くの方に文教研の過去40年の歴史とその成果、そして現在の姿とを知っていただければ幸いです
 ゆくゆくはこのサイトが
文学と文学教育に関心をもつ者同士の交流の場ともなりうることを目指して、いっそうの充実を図っていきたいと考えています。
URLは下記の通りです。(念のため)

 
 http://homepage2.nifty.com/bunkyoken/

「文教研の40年――ウェブサイト開設を機会に振りかえる」 


「文学と教育」第50回全国集会特集号発行 [2001.11.25]

11月25日、文教研の機関誌「文学と教育」第193号が発行になりました。
  記事には、8月に開催された第50回文教研[私の大学]全国集会の記録、6月に広島で開催された教育基礎講座での荒川有史氏の講演『子ども・作文・文学――みたび〈文体づくりの国語教育〉をめぐって』の記録のほか、連載として『文学教育よもやま話』(福田隆義)『近世偽書の条件』(荒川有史)があります。
 また、誌友山本直美氏の『現代市民社会の中で――「つくる会」教科書採択阻止の市民運動にかかわっても掲載されています。


誌友 大内壽惠麿氏らのCD完成[2001.11.25]

『信州ゆかりの「日本の名歌」を訪ねて』「信州ゆかりの日本の名歌普及会」制作のCD『信州ゆかりの「日本の名歌」を訪ねて』が9月末に完成し、現在好評発売中です。
副題に〈21世紀に歌い継ぐ――“夢と希望と愛のロマン”〉とあるとおり、失ってはならない民族・民衆の美しい心情を21世紀に受け継いでほしいという願いを込めて企画されたということです。
 『早春賦』『千曲川旅情の詩』『あざみの歌』『波浮の港』『里の秋』『ゴンドラの唄』など26曲が収められています。大内壽惠麿氏(「文学と教育」誌友)は十数曲の歌唱、指揮の他、全体の音楽ディレクターをつとめています。(総演奏時間 74分、価格  2,800円) 販売店で購入できない場合は、大内さんにお問い合わせ下さい。 
FAX番号 042-333-9292
  

文教研秋季集会終わる [2001.11.30]

恒例の文教研秋季集会が、多くの参加者を得て11月25日の午後、東京・世田谷の梅丘パークホールで開催されました。会場に隣接する羽根木公園ではイチョウの黄葉が秋晴れの空に盛んに舞い散っていました。
 秋季集会は1993年以来毎年11月に開いているものですが、今年はその第9回です。統一テーマは
《自立した市民とは何か――『エーミールと三人のふたご』のその後。5時間にわたるゼミ〈ケストナー『エーミールと三人のふたご』の印象の追跡〉を通じて、ケストナー文学の魅力が一段と強く感じられるようになったと同時に、「今、なぜケストナーか」という問に対する答もいよいよ明確になってきたように思われます。
 なお、この集会の記録は「文学と教育」最近号
(第194号、2002年4月発行)に掲載されています。


戸坂潤の論文、大江健三郎の作品を検討。冬の合宿研究会 [2001.12.30]セミナー・ハウスの宿舎を望む

恒例の冬季合宿研究会が12月26、27両日、東京・八王子の大学セミナー・ハウスで行われました。《現代市民社会と文学(2)を統一テーマに掲げた次回全国集会(2002年8月)へむけ、この合宿では戸坂潤「大衆の再考察」(『日本イデオロギー論』所収)と大江健三郎『芽むしり 仔撃ち』の検討を行いました。
 「大衆の再考察」は、『日本イデオロギー論』(1935年7月刊)の再版(1936年5月刊)に際し「補足」として加えられた三論文のうちの一つ。それが2.26事件直後に急遽追加されていることの意味は大きいと考えられます。「ファシズム的大衆概念」やいわゆる「デモクラシー的大衆概念」との対比において提示される「社会科学的大衆概念」からすれば、大衆「自分自身で自分を組織する社会人群」のことです。私たちがありうべき「市民」について考えるうえで、学ぶところの多い論文だと思います。
 『芽むしり仔撃ち』は周知のとおり、大江が『奇妙な仕事』(2001年夏の文教研全国集会のテキスト)で作家としてデビューした翌年、1958年の6月に発表した作品です。今回の合宿では最初の数章だけしか取り扱えなかったものの、全編を貫く語りのありよう、回想の質などについてじっくりと見極めることができたように思います。村長や村人たちに代表される外の世界との間に、感化院のカベよりも大きなカベを感じざるをえない「僕」のメンタリティー、プシコ・イデオロギー、そこに着目していくことがこの作品を読み進めていくうえで欠かせないだろう、ということが明確になってきました。残りの部分は一月の二回の例会で検討していく予定になっています。
 (なお、合宿研究会例会は会員のみで行われます。会員外の方の傍聴は認めておりませんのでご了承ください。8月の全国集会と11月の秋季集会には、ご希望の方どなたにもご参加いただくことができます。) 

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