2000.08.01 |
第188号
第189号
合併号 |
▼今年度より年三回発行となった途端の合併号、ひとえにお許しを乞うところです。▼総選挙もスッキリしません。何とか雪崩れる前にと思うのですが、既に雪崩れているのかもしれません。私たち一人ひとりの眼が、いま、真に問われているのです。(S) |
・こうち書房
・A5判、92頁、900円
・学術著作権協会(JAC)に管理委託、「複写される方へ」掲載
・扉写真 聖ゲオルグ教会
(ミュンヘン市)/ルイーゼロッテとともに眠るE.ケストナーの墓 |
2000.11.03 |
第190号 |
▼今夏は猛暑につぐ猛暑、いい加減にしてくれェとグチもでる。が、文教研あげてのケストナー研究、ますます温度が上がる一方である。▼文教研会員の大方は高橋健二訳や小松太郎訳でケストナーに親しんで来た。古くは板倉鞆音訳のケストナー詩がある。今また、池田香代子さんによる新訳が出始めた。▼現在の子どもたちに、ぜひケストナーを紹介したい。新訳で一緒に読みたい。そうした会(本誌裏表紙参照)を今準備している。(S) |
・こうち書房
・A5判、72頁、700円
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2001.04.30 |
別 巻 |
…… |
・私家版総目次
(創刊号~191号)
-NII-ELS搭載用- |
2001.08.03 |
第192号 |
▼一九五八(昭和33)年一〇月一六日、「サークル・文学と教育の会」として産声をあげた文学教育研究者集団(一九六〇年二月二六日、改称)が、熊谷孝氏の先導のもと第一回研究集会をもってから、全国集会も今夏で実に50回を数えることとなった。▼あしかけ43年を閲するわけだが、その間、ある意味では文教研もまた日本型現代市民社会の中にあって、その確立過程とともに歩んできたのだと言えよう。主権者としての市民の、労働者階級と勤労市民が参入し連帯し共生する現代市民の、その政治的主体を支える社会的主体の創造と育成を、文学あるいは文学教育の側面から問い続けて来た道のりだったとも考えられるからだ。▼文学の基本は人間の行為の倫理的な意味を問うことだ。あり得べき人間関係を求めて、今、文教研は記念すべき50回集会をもとうとしている。(S) |
・こうち書房
・A5判、72頁、700円
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2001.11.25 |
第193号 |
▼テロと報復の悪循環。自衛隊の便乗海外派遣。▼シベリア出兵時の与謝野晶子「日本軍自衛の範囲を越える」発言(18.3.17)を思う。絶望の世紀なればこそ文学を!であろう。(S) |
・こうち書房
・A5判、80頁、700円
・文教研ウェブサイト開設 |
2002.04.08 |
第194号 |
▼開いた口が塞がらない。政官業の泥沼の如き癒着。カイカク、カイカク、カイカクと、カイカイ病でもあるまいに。▼花粉症と同じで即効薬などありはせぬ。われら民衆どこに身をよせてよいやら。▼人間として面白みのある市民の養成が肝心だ。(S) |
・こうち書房
・A5判、68頁、700円 |
2002.07.25 |
第195号 |
▼本号から、「文教研ウェブサイト・コーナー」を設けることにした。文教研ウェブサイトも昨年十一月三日に開設してから、はや十ヶ月になんなんとしている。掲載記事の内容も何度か書き直されている。そこでふと思ったのである。消えていく記事、もったいないなあ。ならば、本誌で活字に残そう。<コーナー>の設置ということになった。▼文教研のサイトの立ち上げ、編集、等々、これはもう一身に常任委員のT氏が担っている。氏の適切な記事の選択にも感謝と敬意を表しつつ、その第一回目として本号では<文体>に焦点を合わせながら「基本用語解説Ⅲ・Ⅶ」を中心に復元してみた。▼第51回全国集会のテーマでもあるが、文体喪失=奴隷の言葉で語られる情報三法・有事立法の反動の中で、改めてわれわれの文体を見直す必要が生じているからだ。(S) |
・こうち書房
・A5判、64頁、700円 |
2002.11.08 |
第196号 |
【『文学と教育』半年刊ニ!!】 大企業中心の新自由主義的経済下にあって、、倒産する企業があとをたちませんが、企業のみならず、様々な団体も経済的理由から、その存続が危ぶまれる状況に陥っているようです。文教研もまた、会費の改正、気管支の年4回発行から3回発行へ等改革を重ねてきましたが、財政的逼迫はいかんともしがたく、ここに、今年度より機関誌発行を原則として年2回(11月、5月)とせざるをえなくなりました。/『文学と教育』を御支援、御愛読くださいました読者の皆様には何とも言いようございませんが、従来と変わりませず御購読のほどよろしくお願い申し上げます。なお、一方的な撤退では何ともしゃくにさわりますので、年2回発行を原則としつつも、奇数年には特別号を発行、実質2年間で5回発行というようにしたいと考えています。定期購読代、誌友代等、変更にともないいろいろご迷惑をおかけすることとなりますが、これまたよろしくお願い申し上げます。(編) |
・こうち書房
・A5判、72頁、700円
・年二回発行+特別号
(実質二年に五回) |
2002.12.-- |
NII電子版
123号~196号 |
…… |
・電子化第一期(123号~196号)
NII-ELS※で公開。
(NII委託の株式会社ムサシが担当)
※NII-ELS:国立情報学研究所電子図書館サービス
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2003.07.15 |
第197号 |
▼たった一言、言わせておくれ。有事立法、やめてくれ!(編) |
・こうち書房
・A5判、80頁、700円 |
2003.11.07 |
第198号 |
▼「記憶せよ、抗議せよ、そして生きのびよ」(NHK・総合TV「核の時代に生きる」03.8.15、井上ひさしの発言)。――この言葉を、肝に銘じていきたいと思う今日この頃である。 |
・こうち書房
・A5判、64頁、700円 |
2004.--.-- |
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…… |
・文教研ウェブサイト、NIIの学協会情報サービス利用開始 |
2004.05.30 |
第199号 |
▼自衛隊のイラク派兵。越えてはならぬ一線を、とうとう日本は越えてしまった。▼市民のための国益は産・官・支配層のコクエキにとってかわられ、その御楯としての自己責任が叫ばれる。なにはともあれ、めげまいぞ!(S) |
・こうち書房
・A5判、64頁、700円 |
2004.08.03 |
第200号 |
▼一号ずつ積み重ねて、二〇〇号、――四十六年の道のりであった。▼人間四十六歳といえば、もっとも脂ののった時期かも知れぬ。とは言え、教師は教師で教師臭くなり、専業主婦は主婦でいかにも主婦然となり、気づけばわれ何者ぞといったところか。▼ささやかなれど、<私の文学>を通して<私という人間>をいま改めて検証し直し続けるためにも、更なる二〇〇号を、である。 |
・200号
・こうち書房
・A5判、72頁、700円 |
2005.05.20 |
第201号 |
▼世の中はネオ・リアリズムに煽られたマネー資本主義の横行、一方で偏向したナショナリズムの台頭。こんな状況は変わらねばならない!▼発行遅延、お許しを!(編) |
・こうち書房
・A5判、64頁、700円 |
2005.08.03 |
第202号 |
▼巷では、お笑いがもてはやされているらしい。ロンドンを襲った複数同時テロ、郵政国会の茶番劇、原油急騰のマネー資本主義、サラリーマン直撃の増税必至、干天猛暑の空梅雨と、まだまだ鬱のネタは尽きぬ。▼笑ってごまかせ。それもよし。が、それじゃ<笑い>に申し訳なし。武器としての笑いがあるぞ! |
・こうち書房
・A5判、64頁、700円 |
2005.11.10 |
第203号 |
【お知らせ】 教養と書いてハニカミとルビをふりたいものだとは太宰治の言葉だが、世の中何かが狂っている。カネ、カネ、カネのマネー・ゲーム。村上ファンドと楽天のTBS株買い占め。自民一人勝ちの総選挙。九条改憲への足ならし。属国であるまいに辺野古崎への米軍基地移転。アメリカが主(あるじ)のエセ民主主義踊り。恥もみさかいもなく、オン馬(ま)の背中に狐が乗って……。ひかれ者の小唄ではないが、世の中、太宰の苦悩がちっともわかっておらぬ。/何とか、小さな集団ではあれ、文学の心を忘れず、文学の眼をもって、<人間らしくあること>への情熱を支えに、研究と教育を続けてきた文学教育研究者集団。なれど、世の中の壁は厚いのだ。/文化的抵抗としての意味ももたせて、機関誌『文学と教育』を発行し続けて来たのですが、発行回数を年三回から、二年で五回としたのもつかの間、経済的な諸般の事情で、年二回発行とせざるをえなくなってしまいました。残念なのですが、今二〇三号より、秋季集会号(11月刊)・全国集会号(5月刊)の二回となります。回数は減っても、内容はさらに充実させて行きたいと決意していますので、よろしくお願い申し上げます。(S)
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・こうち書房
・A5判、64頁、700円
・年二回発行
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2006.03.-- |
NII電子版
65号~122号 |
…… |
・電子化第二期(65号~122号) (NII委託の株式会社ムサシ担当) |
2007.08.03 |
第206号 |
▼戦中派のある人が、あなたたちは権力むき出しの大変な時代を生きてきたのですねと問われて、いえ、日常生活は実に平穏でしたよと答えていた。▼何気ない平穏な日日の中で目くらましを喰らわせながら<戦争の道>は着々と整えられていたのだよという。▼今また、その轍を踏んでいるのではないかしら。(S) |
・こうち書房
・A5判、68頁、700円 |
2007.11.10 |
第207号 |
▼本誌が年二回の発行になってから丸二年。経済的事情からとはいえ、発行回数が減った分、予定の発行時期が十分に守られてきたかというとさにあらず。青息吐息の不定期刊行とあいなってしまった。▼理由をあげればあれこれと言えるのだろうが、とにかく編集部員の健康状態が一番だろう。身体にガタがきて、編集に専念できぬのだ。▼娑婆苦は現世の外にあるわけではない。現世の内に、わが身の生活にも満ちてくる。現在の日本社会では、広い意味の「うつ」病が充満しているとは、山折哲夫さんの指摘(『早期座禅』)だが、「躁」と「うつ」の交代でやってくる生理的リズムを持った「躁うつ」の「うつ」とは違った「うつ」一辺倒の化け物を社会全体で抱え込んでしまったのではないかというのだ。よもやわが編集部員が化け物にとりつかれたわけでもあるまいが、文教研自体も経済的健康的に娑婆苦の中にあることに変わりはないだろう。▼娑婆苦に抗って生きていくためには、山折さんが「うつ」の一つの要因として軽佻浮薄な言葉の氾濫をあげていたが、人間が人間らしくあるための言葉の復権・創造こそがまず、なのだ。▼真の「人間の言葉」を! その限り、『文学と教育』は、と思っている編集部員なのだ。(S) |
・こうち書房
・A5判、83頁、700円 |
2009.11.10 |
第210号 |
▼二〇〇九年。文教研にとっては、正に画期的な年となった。文教研創立50年の節目を経て再スタートをきった記念すべき年であり、文教研が研究対象としてきた異端の文学者太宰治の生誕一〇〇年に当たる年であり、そして、わが文教研初代委員長の福田さんの亡くなられた年ともなってしまった。/福田さんの半生は、文学教育の実現と研究とに捧げられたものであった。そうした福田さんの半生を偲びつつ、本号では特集を組むことで哀悼の意を表したいと思う。併せて、福田さんの愛した『かさじぞう』のゼミ記録(昨秋季集会)を弔花に代えて捧げたいと思う。(S) |
・こうち書房
・A5判、84頁、700円 |
2010.04.20 |
第211号 |
▼今号もまた遅れに遅れての発行となってしまった。諸般の事情があって年二回の発行となっただけに、全国集会号と秋季集会号の二号、これだけは確実に発行していきたいと思っている。▼何故遅れるのか? 小中高大と教育現場に「ゆとり」がなくなったことも一因であろう。「ゆとり」と言えば、「ゆとり教育」の弊害解消をと打出された新指導要領の下、この四月から使用される小学校の教科書が話題となっている。▼神話の復活に対して文学教育はいかに。国語教育が問われている。(S) |
・こうち書房
・A5判、62頁、700円 |
2010.08.03 |
第212号 |
▼<大逆事件>が起こってから、今年で、ちょうど百年となる。七月一一日は参議院選挙。百年後の〝時代閉塞の現状〟を何とか切り開いて行くための、衆知の結集をと願っているのだが……。▼百年と言えば、独学で絵を学び、民話の絵本、『かさじぞう』や『スーホーの白い馬』など、衆知の結晶ともいえる絵を描き続けた赤羽末吉の生誕百年でもある。末吉に続けである。 |
・こうち書房
・A5判、62頁、700円 |
2011.03.25 |
第213号 |
▼中東が揺れている。長い間続いた独裁政権に対する反体制の〝噴火〟である。▼中東のみならず今世紀の地球はまさにカオスといった状況を呈している。新たなる市民社会を、新たなる民主主義をどう構築すればよいのか。▼「普通の人」に視点的立場を据え、あり得べき市民の姿を追い求めた<井上ひさし>の文学が改めて評価されてしかるべき時代となっている。(S) |
・こうち書房
・A5判、52頁、700円 |
2015.--.-- |
NII電子版
創刊号~64号 |
…… |
・電子化第三期(創刊号~64号) (NII委託の株式会社ムサシ担当) |
2016.07.20 |
第224号 |
【機関誌『文学と教育』年一回発刊のお知らせ】 委員長 井筒満/平素より機関誌『文学と教育』をご愛読いただきありがとうございます。/この度、諸般の事情から機関誌の発行を年二回から年一回へと変更させていただきたく、誌面にてご連絡させていただきます。/学術雑誌をめぐる環境は。近年目まぐるしく変わっています。文学関係の学術雑誌の斜陽化に加え、電子化されたデータの管理、著作権の問題など多義にわたり、その一つ一つの変化に対応していく道筋はまだまだ予測しにくいものがあります。そうした中で、文教研としても現在の財政状況、運営体制の中で年二回の機関誌発行は困難という結論に至りました。/年に二回の集会や月二回の例会の研究成果を踏まえれば今まで通り充実した内容をお届けできるものと確信し、今年度からはそれを年一回の機関誌に込めてさらに読み応えのあるものにしていく決意です。一回の頁数を増やし、必要に応じて特別号の発行も考えております。/本物の民主主義を実現していくためには、事実を知ることはもちろん、自分の目で現実を見つめ、内側から突き動かされるように連隊を志向する人間に成長していくことが必要です。私たちが主張する〝文学教育の必要性〟は、今こそ求められています。定期購読代、誌友代などの変更に伴い、大変ご迷惑をおかけいたしますが、引き続きご購読いただきますよう、よろしくお願いいたします。 |
・こうち書房
・A5判、68頁、700円
・年一回発行
・電子化第四期、J-STAGEへの搭載(224号~227号)
(文教研より株式会社ムサシに委託)
※J-STAGE:国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の運営する電子ジャーナルプラットフォーム |
2017.03.20 |
J-STAGE
電子版
創刊号~227号 |
…… |
・編集長:荒川由美子
(第225号~)
・国立情報学研究所の電子図書館(NII-ELS)サービス停止決定
・NII-ELSに蓄積された既刊号データをJ-STAGEへ移行(JSTによる) |
2020.10.10 |
第228号 |
▼コロナ禍の二〇二〇年となった。文教研でも例会中止が続き、とうとう夏の全国集会も中止せざるを得なくなってしまった。武蔵小杉での、あるいはあざみ野での、また八王子での再会が待ち遠しい。ウイルスと共に暮らさざるを得ないという日々の中で、ひたすら例会再会を待ち望む。▼そのような状況の中で、今年も、この機関誌に文教研の活動の多くが記録されることとなった。また、新連載が始まる。文教研理論の学習・再学習の好機にも。▼七月初めには都知事選もあった。私たちが待っていたのは誰だったのか。次号の発刊の時には、さわやかな気持ちでこの機関誌が編集され、読者も穏やかな気持ちで読めるような環境が生まれることを願う。▼本号から、機関誌『文学と教育』の発行は、こうち書房から創文印刷工業株式会社へと変更となる。長年、発行・販売を担当し文教研を支えて戴いたこうち書房に記して感謝を申し上げたい。(A) |
・創文印刷工業株式会社
・冊子印刷/電子化/J-STAGE搭載を一貫化
・A5判、80頁、700円
|
2021.09.10 |
第229号 |
▼あの日のように暮らしたい、と思っても、あの日のような時間は取り戻せない。/日本列島にこうした思いを抱える人は多いだろう。二〇二〇年、二一年新型ウイルスの災禍は止まない。八王子での蝉の声も聴きそびれた。▼この間仲間のお一人を見送ることとなった。何時も明るい笑顔のSさん。平和と人権の願いとを語り続けた。合掌。▼例会はこの四月末からオンラインで再開。多くの会員のIT環境整備を願いつつ、画面上での再会を喜んだ。沖縄・広島・千葉・宮城そして首都圏、再会を待つ仲間たち。今号は「特集
私の教室」としてそうした会員の日常を語ってもらった。▼今年度は『芥川文学手帖』を読むこととなった。今、なぜ、芥川文学か? 四十年程前にも出されたこの問いに、「今」私たちはどう答えるのか。斎藤幸平『人新世の「資本論」』の学びから人間回復への道へ。そこに芥川文学がどう位置づけられるのか。何を学び取れるのか。新たな挑戦の第一歩が始まった。(A) |
・創文印刷工業株式会社 ・A5判、80頁、770円(税込み、以下同じ) |
2022.08.31 |
第230号 |
▼オンラインでの例会もそれなりに定着してきた。気楽・手軽などの利点と、直接触れ合えないもどかしさとを体験した二年間だった。▼前号に続けて大切な仲間、大事な先達の逝去をお知らせする号となってしまった。まだまだ語り合いたかったという声が寄せられている。今は、ただただA氏H氏のご冥福を祈る。▼「自己にとっての理想を説得ぬきに他者に強制すると、その理想なるものも圧制に転換してしまいます。」(一九九〇、一一、荒川有史氏私信より)三十年前に書かれた氏の言葉が現在の世界情勢にもあてはまる。圧制どころか他国の人々の暮らしも平和も根こそぎ奪う現実が起きている。▼徳本穂菜さん(7)「平和の詩」(沖縄全戦没者追悼式で朗読)のように、「へいわをポケットからおとさず、わすれないように」して行きたい。▼芥川文学の印象の追跡も休むことなく続けられている。オンラインでの夏の集会も視野に入れられている。その成果を取り込んだ上で、本誌上において、芥川文学の新た魅力を語る日が来ることを願っている。(A) |
・株式会社ソウブン・ドットコム(旧 創文印刷工業株式会社)
・A5判、94頁、770円 |
2023.09.10 |
第231号 |
▼節目となる第七十回文教研全国集会は今回もオンライン開催となる。残念ながら八王子大学セミナーハウスでの真理の鐘を聞くことはできず、「原爆を許すまじ」を皆で歌うこともできない。このような世界状況だからこそ、どちらも大事にしたい。せめて心の中であの音を再現させよう。▼集会は今回も芥川文学を取り上げる。一体、文教研ではいつから芥川を取り上げているのだろうか? そんな疑問にたちどころに応えてくれるのが文教研HPだ。膨大な、貴重な資料がしまい込まれているHP▼「文学教育研究者集団」「研究活動」「機関誌」等々八つの分類があり、それぞれにいくつもの魅力ある小見出しが付けられている。その一つに〈どう取り組んできたか〉というコーナーがあり、芥川龍之介をはじめ、井上ひさし・井伏鱒二と個人または研究テーマごとに文教研の取り組みがリストアップされている。ちなみに芥川文学に取り組んだ最初は一九六三年。▼まるで図書館。これまで、誰もが図書館を利用・活用して来ただろう。文教研の図書館を活用しないという手はない。(A)
|
・A5判、70頁、770円 |
2024.08.03 |
第232号 |
▼文教研会員の研究・学びの対象はひろがりをみせている。二〇二三年度は『資本論』の学習が加わった。高齢期に入って、マルクスの書を読むとは。私以外にも、そのように思った人はいたことだろう。兎も角、予想外の、しかし、なかなかに知的好奇心を刺激する学習が続いた。▼一八七四年にヨハン・モストというドイツ人が投獄されて得られた「余暇」を使って、労働者に安く、わかりやすい形で書いた『資本論』からの抜粋に、マルクス自身が改訂作業を加えて世に出された本がテキストだった。(ヨハン・モスト原著、カール・マルクス加筆・改訂 大谷禎之介訳『マルクス自身の手による
資本論入門』大月書店)▼井筒講師のもと学習会を続けるうちに、ついに『資本論』原著の一部を読むことも出来た。シェイクスピアやハイネなど文学作品も登場していることも知ることもできた。『資本論』の学習と文学との関連・関係。いつか、この機関誌にそのようなテーマの論稿が登場する日を楽しみに、今は地道な学習が続けられている。関心のある方のご参加を待ちながら。(A) |
・A5判、102頁、770円 |
2025.07.31 |
第233号 |
▼八王子での対面参加とオンライン参加の併用となった第71回全国集会では、芥川龍之介の「河童」を取り上げた。その印象の追跡過程が今号に記録されている。集会のサブタイトル「真の共生を求めて」のとおり、参加者は真剣に作品とのまた参加者相互との対話を重ねた。▼「河童」に関して初の文教研文献記録集として、読者に活用されることになるだろう。今回の全国集会をもって、芥川文学研究への取り組みを一旦小休止とし、二〇二五年から太宰文学に軸足を移動し始めている。▼もう一つの柱となっていたマルクス理論の学習は十五回を重ね、ヨハン・モスト原著カール・マルクス加筆・訂正、大谷禎之介訳『マルクス自身の手による 資本論入門』を読了した。難産ではあったが、参加者各自は、自身の内に大きな財産となる「種」を持ちえたのではないか。今後それぞれがその「種」を発芽させて、それぞれの「草」や「木」として育てて行き、この機関誌に新たな論稿が寄せられることを希望したい。(A) |
・A5判、82頁、770円 |