集会は無事終了しました。

  2005年 文教研秋季集会のご案内


 文教研秋季集会はどなたにもご参加いただける公開研究集会です
 秋の午後、一つの文学作品を参加者みんなで読み合ってみようという会です。今回は、ケストナーがナチス独裁の始まった時期に発表した大人向けの小説『雪の中の三人男』を取り上げます。ケストナーの子供向けの作品に親しんでこられた方にも、「推理小説」としてこの作品を読んでこられた方にも、なにか新しい発見のある集いになることを期待しています。


     《統一テーマ》

     ケストナー作『雪の中の三人男』を読む
  

        
――――みんなで、大きな雪だるまを作ろうじゃないか!



 子どもの頃、野山を駆け回ってトンボやセミを捕って遊んだ記憶がきっとあるかと思いますが、今の子どもたちはそんな環境や条件に恵まれてはいません。学校から帰るとすぐ塾に通わなくてはならない子どもたちは、自然の中で夢中になって遊びに没頭する機会を奪われてしまっているのではないでしょうか。

 ある哲学者が「人間とは唯一遊ぶことのできる動物なのだ」と言って、その文化的な営みの中心に“遊び”を位置づけています。

 目をキラキラ輝かせ、小さな胸をわくわく、どきどきさせて、遊びに熱中することで、子どもは自分と仲間と世界の豊かさを知り、人間として欠くことのできない多くものを学んでいきます。また自由で開放的な“遊び”を通して、子どもの内部には生き生きとしたイメージ・人間的な情熱が形成されていきます。そしてそのようなイメージと情熱(遊びの精神)を持ち続けている人こそ、真の大人ではないでしょうか。

 ケストナーは、児童文学、成人文学の垣根を越えて、遊びに必須の自由な精神を追求してきた作家であろうと思います。今回取り上げる『雪の中の三人男』はヒトラーが政権を奪った後、国内での出版禁止の中で書かれた作品です。この作品はストーリーテラーの才能とエンターテインメントの要素の濃い娯楽小説と言われていますが、単にそれだけの作品なのでしょうか。

 ある友人の小説家がケストナーに向かって「僕は作家として今世紀のリーダーたちに影響を与える作品を書きたい」と言うと、ケストナーは「自分は大衆に受けたい。読者が多ければ多いほどうれしいんだ」と語っています。この厳しい時代の中で、彼がめざした“大衆娯楽小説”とはどのような内実の作品なのか。皆さんと共にこのユーモアの溢れた遊び心いっぱいの作品を読み合うことで一緒に考えてみたいと思います。


もど
集会要項 


《ゼミナール》 ケストナー『雪の中の三人男』の印象の追跡                                                   
テキスト
  エーリヒ・ケストナー『雪の中の三人男』
  (小松太郎訳 創元推理文庫)
  

   ※テキストはご持参下さい。
   ※参考文献:
     文学教育研究者集団編『ケストナー文学への探検地図』(こうち書房)
     「文学と教育」 184,185-6(合併号),
              187,188-9(合併号),
              190,191,194,197,198,199

日 時 2005年11月13日(日) p.m.1:00〜6:00
        ※受付 12:30より。なるべく12:50までにご入場ください。

会 場 三茶しゃれなあど
          東京・世田谷区役所三軒茶屋5階分庁舎 5 階(東海ビル)
          東京都世田谷区太子堂2-16-7(電話 03-3411-6636)

            
交通:東急田園都市線三軒茶屋駅北口下車 徒歩1分
                東急世田谷線三軒茶屋下車 徒歩3分
                    
参加費 一般 2,000円  学生 1,000円

申込み手続き 申込用紙(兼、振込用紙)に必要事項を記入し、
       ※参加費を郵便局でお振込みください。
       ※申込用紙は下記事務局にご連絡いただければお送りします。  

申込み締切り 11月6日

問い合わせ、および申込み先 
    

集会ゼミのテキスト 
 
-----------多くの方のご参加をお待ちしています。-----------

 

秋季集会の歩み秋季集会呼びかけ2004年集会参加者の声2004年集会Nさんの集会報告ケストナーとどう取り組んできたか