2004年夏の文教研全国集会は終了しました
  
文教研
[私の大学]
第53回
全国集会
 文学史を教師の手に
“文学教師”――それは、自身に文学を必要とし、また、文学の人間回復の機能に賭けて、若い世代の“魂の技師”たろうとする人々のことである。そういう人々の中には、当然、学校教師もいるだろう。当然また、人の子の親や、兄や姉もいるだろう。限界状況の一歩手前まで追い込まれた、日本の社会と教育の現状は、今、まさにそうした人々の文学教育への積極的な参加を求めている。

文学教育研究者集団    
 ■ 期  日  2004年8月5日(木)〜7日(土)    
 ■ 会  場  大学セミナー・ハウス (東京都八王子市下柚木1987-1)
  ■ 統一テーマ   <喜劇精神>を支えとして――戦争の現実を生き抜いた太宰治とケストナー
      

 杉浦正士氏(「ザ・ニュースペーパー」プロデューサー)は、いま、私たちが必要とする<笑い>について、次のように述べている。(「暗い時代こそ輝く笑いを」/「朝日新聞」2004年1月17日付け朝刊)
 「現代はこぢんまりとした笑いで満ちている。/だが、こんな時代だからこそ、痛烈な皮肉と批判精神に満ちあふれた笑いが必要なのではないか。/笑いを共有するには、物事をきちんと知る努力が必要だ。そうすることで批判精神も生まれるのだと思う。」
 「目くじらを立てたり、深刻ぶったりするだけでは何も始まらない。……笑いはしかめっ面をしている人間をポジティブにしてくれる効用もある。/時代が暗くなればなるほど、その本質をつく笑いは逆に輝く存在になるのではないか。」
 杉浦氏がここで指摘している<笑い>こそ、真の喜劇精神に支えられた<笑い>である。強圧的な言葉や「こぢんまりとした笑い」を手段として、私たち一人一人を思考停止状態に追い込み、孤立化させようとする圧力が日増しに高まっている現在、このような<時代の本質をつく批判精神に満ちあふれた笑い>を共有することが、私たちにとってますます必要になっている。つながるべき仲間を私たちが見失わずに生きていくために、また、私たちの批判精神をより強靱なものにしていくために、それが必要なのである。
 今回の集会では、第2次世界大戦前夜、ナチス独裁下の1938年に刊行されたケストナーの作品『オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』と、太平洋戦争末期に発表された太宰治の作品『禁酒の心』・『黄村先生言行録』をとりあげる。暗い時代の中で発揮された彼等の喜劇精神との対話を通して、私たちの課題について考え合いたい。

 

 ■ 日  程
      8月5日 8月6日 8月7日
午前 9:30







12:00







午後1時開会
(12時50分までに受付を済ませてください。)
  
「原爆を許すまじ」
中間総括


ゼミナール:
太宰 治『黄村先生言行録』
    〈チューター〉佐藤嗣男 橋本伸弥







中間総括


5.
基調報告 A
ケストナー、1938年前後
                     井筒 満


6.ゼミナール:
ケストナー『オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』

      〈チューター〉井筒 満 高澤健三










7.あいさつ  副委員長 金井公江

午後4時終了予定
午後 1:00












5:00
(予定)

1.あいさつ 
  
委員長 夏目武子


2.基調報告 @
戦中の太宰の場合  
佐藤嗣男


ゼミナール
太宰 治『禁酒の心』
   〈チューター〉佐藤嗣男 橋本伸弥


※生活案内
7:00


9:00
(予定)
3.ゼミナール 続き  
※フリートーキング
戦争と文学
            【参加自由】
  
  
 ■ テキスト
○ 太宰 治「ろまん燈籠」(新潮文庫)所収『禁酒の心』
○ 太宰 治「津軽通信」(新潮文庫)所収『黄村先生言行録』
○ E ・ケストナ「ほらふき男爵の冒険」(ちくま文庫)所収『オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』
  
 ■ 参考文献
○ 熊谷孝著『太宰 治』(みずち書房)
○ 「文学と教育」185-6(合併号)〈ケストナーの世界への誘い〉
○ 歴史科学協議会編『日本現代史』(青木書店)
○ クラウス・コードン著『ケストナー/ナチスに抵抗し続けた作家』(偕成社)
  
 ■費   用
@参加費(資料代、連絡・広報・運営費、講堂使用料、施設分担金、雑費を含む)
全日参加…\13,000(学生\10,000)
 2日参加…\10,000(学生\ 8,000)
 1日参加…\ 5,000(学生\ 4,000)
A宿泊費:1泊 \4,620(記念館)
B食事代:朝食 \525、昼食 \735、夕食 \1,155
  (A+B2泊3日、6食付きの場合…\14,070 )
 
※資料のみ:\2,000
  
 ■申込み手続き
申込用紙(振替用紙を兼ねる)に必要な事項を記入し、全額@参加費+A宿泊費+B食事代)を郵便局でお振込みください。
  
※申込用紙は、事務局までご請求ください。
※7月1日以降の参加中止の場合、参加費の返金はご容赦ください。(集会資料はお送りいたします。)宿泊費・食事代に関しては、条件に応じてセミナーハウス請求のキャンセル料金をいただき、残りを返金いたします。
  
 ■申込み期間  6月1日〜7月23日
  
 ■問い合わせおよび申込み先
〒 216-0005 神奈川県川崎市宮前区土橋 1-17-410 文教研事務局
TEL&FAX: 044-854-4892
  
 ■交  通
・新宿〈JR中央線 約50分〉八王子〈南口から京王バス 約20分〉野猿峠(やえんとうげ)〈徒歩5分〉会場
・新宿〈京王線 特急37分〉京王八王子〈 徒歩約10分〉八王子〈南口から京王バス〉野猿峠〈徒歩5分〉会場
・新宿〈京王線 準特急40分〉北野〈北口から上記と同じ京王バス 約8分〉野猿峠〈徒歩5分〉会場
・新横浜〈JR横浜線 約50分〉八王子〈南口から京王バス 約20分〉野猿峠〈徒歩5分〉会場
※京王線利用の場合準特急に乗り北野駅で下車するのが便利。新宿から約40分。
※京王線特急を利用する場合は、高幡不動駅で各駅停車に乗り換え北野駅で下車。新宿から約40分。
※京王線の特急準特急はそれぞれ20分間隔で運行(平日、日中)。
八王子駅南口北野駅からの京王バスは、いずれも「柚木折返場」あるいは「南大沢団地」行に乗車。
※八王子駅南口、北野駅のいずれからも、タクシー利用可。
※ほかに、京王相模原線南大沢駅から「八王子駅南口」「北野駅南口/北口」行の京王バスを利用する方法もあります。  
 
・ 第1日午後1時開始のためには、バス便や受付時間の点などからみて、JR八王子駅に遅くとも12時までに到着する必要があります(北野駅の場合はそれより多少遅めでも可)。
・ 受付での手続きは開会10分前(12時50分)までに済ませてください。受付の係りも研究会に参加しますので。
・ 講堂には冷房が入っています。念のため、カーディガンなどのご用意を。

学校教師だけでなく、会社勤めの方・主婦・学生など、
どなたもご自由にご参加ください。お待ちしています。
  
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