文教研のプロフィール

1985年7月 日本民間教育研究団体連合会編集・発行「みんなでつくる教育」(1985.7.15)掲載 

「みんなでつくる教育」
 教育荒廃の今日的状況を、戦後史――とりわけ、民主教育抑圧のこの四半世紀の戦後教育史の中に正当に位置づけて考えることをしないような、教育論のいっさいを、私たちは信用しない。それが教科教育論であれ、また学校・学級経営論であれ何であれ、そのようないっさいの教育論に対しては不信の意を表明せざるを得ない。そのような、歴史に背を向けた教育観・教育論に立っては、真に民主的な、民族の後続の世代をはぐくむことは不可能だからである。
 教育の荒廃とは、もともと、民主教育(=平和教育を前提とした人間教育)の疎外・喪失・不在の教育状況そのもののことであろう。つまり、核状況下の民主教育の危機の問題にほかならない。
 文学の教師が真に文学教師であるためには、常時、こうした悪現実と闘わなければならない。平和教育=人間教育そのものである文学教育の、最も実践的な担い手である文学教師としての闘いである。
 ここにいう文学教師――それは、自身に文学を必要とし、また、文学の人間回復の機能に賭けて、若い世代の“魂の技師”たろうとする人々のことである。そういう人々の中には、当然、学校教師もいるだろう。当然また、人の子の親や、兄や姉もいるだろう。限界状況の一歩手前まで追い込まれた、日本の社会と教育の現状は、今まさにそうした人々の文学教育への積極的な参加を求めている。
〈委員長〉  福田隆義
〈創  立〉  1958年10月16日
〈事務局〉  立川市 (略)

〈出版文献〉
  A 文教研
『文学の教授過程』(明治図書)
『中学校の文学教材研究と授業過程』(明治図書)
『文学教育の構造化』(三省堂)
『芥川文学手帖』(文教研出版部)
『文学史の中の井伏鱒二と太宰治』(文教研出版部)
『芥川文学手帖』(みずち書房)
『井伏文学手帖』(みずち書房)
『太宰文学手帖』 近刊
  B 会員
『井伏鱒二/講演と対談』(熊谷孝・鳩の森書房)
『太宰治/「右大臣実朝」試論』(熊谷孝・鳩の森書房)
『芸術とことば』(熊谷孝・牧書店)
『言語観・文学観と国語教育』(熊谷孝・明治図書)
『文体づくりの国語教育』(熊谷孝・三省堂)
『国語教育時評集』(熊谷孝・文教研出版部)
『現代文学にみる 日本人の自画像』(熊谷孝・三省堂)
『芸術の論理』(熊谷孝・三省堂)
『文学教育論』(荒川有史・三省堂)
〈機関誌〉『文学と教育』(みずち書房刊、年四回、送料共 2040円)

〈入会規定〉
  (1)現会員に推薦者があること(常任委員会の代行可)
  (2)推薦者は、次の点の諒承を確認する
    @機関誌などを通して、会の主張に賛同を得る。
    A月例、春冬合宿、夏の全国集会に積極的に参加する。

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