文教研のプロフィール |
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集団紹介 集団の発足は一九五八年一〇月で、すでに一〇年の歴史がある。当時は「勤評闘争」のさ中、他方「道徳教育実施要綱」「学習指導要領改訂案」が提示され論議をわかせていた。当然のことながら、わたしたちも「改訂案」の検討から研究活動を始めた。 指導要領の発想、それは言語現象「話す・聞く・読む・書く」を、そのまま国語科の学習領域として設定する、言語技術主義・実用主義である。それは適応の論理・同化の論理であり、変革の論理ではない。そういう意味では、戦前・戦中の御用哲学であった「生哲学」(解釈学的国語教育)から導き出された「追体験理論」と同じ発想である。つまり、ドイツ「生哲学」の日本的適用が「追体験理論」であるとすれば、実用主義・技術主義はそのアメリカ版といえよう。わたしたちは、この「生哲学」を批判しきることで、ほんとうの意味の指導要領批判ができると考えた。 そこで、まず戦前すでにこの観念論哲学を批判した熊谷孝氏らの「準体験理論」を摂取した。準体験、それは追体験に対するアンチ・テーゼであり、変革の論理である。また戸坂潤の『日本イデオロギー論』・他にも学んだ。さらに、パブロフの「第二信号系理論」を学ぶことで「準体験理論」はより精緻になった。つまり、仲間の体験に媒介される人間の反映活動が、いかにして可能になったかという、生理学的根拠を得たのである。 右のように述べると、文教研は原理・論理の学習に終始したかにみえる。が、そうではない。わたしたちはたえず実践とつきあわせながら、わたしたちの教材体系を構想し、読みの方法を模索しつづけている。そうした成果の集約として『文学の教授過程』と『中学校の文学教材研究と授業過程』の二著を、明治図書から出版し、さらに『文体づくりの国語教育』を本年一月、自費で刊行した。「文体づくり」それは、子どもたちめいめいが自分のことばをもち自分の発想で考えることのできるように、というのである。そういう子どもを育てるための読みの方法「総合読み」をいかに実現させるかが、文教研当面の課題である。 また、文教研の論理に焦点をあてた、熊谷孝(文教研常任委員・国立音楽大教授)著『言語観・文学観と国語教育』(明治図書刊)があるので紹介しておく。 入会案内 会費は、月額一二〇円。会員は、夏の大会と年二回(春・冬)の合宿研究会、および、月例研究会(第二・第四土曜)に参加できる。また機関誌『文学と教育』(隔月刊)と、文教研ニュース・月例研究会資料を配付する。なお機関誌だけを配布する準会員制がある。このばあい誌代六号分、五〇〇円前納となっている。 事務局=東京都三鷹市明星学園内・荒川有史(振替口座・東京九九六一六) |
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〈文責・福田〉 | |
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