資料:文学教育研究者集団/熊谷孝への言及
田近洵一『戦後国語教育問題史』(大修館書店 1991.12)


まえがき
〔v頁〕
……前略……
本書は、大修館書店『国語教室』誌掲載の拙稿「戦後国語教育問題史」を中心に、大学の紀要等に発表したものなどを集めたものである。そのほとんどが文学教育史に関する論稿であるのに『戦後国語教育問題史』という署名にしたのは、本書をもって、国語教育の全領域にわたる歴史的展望の一部を成すものとしたいという意図があるからである。
なお、本書は、戦後の文学教育をたどる上でも、いまだ不十分なところを多く残したままであることは認めざるをえない。特に、熊谷孝氏を中心とする文学教育研究者集団の方々の研究成果、久米井束氏、岩井文雄氏等、文学教育連盟の方々の研究成果については、どうしても取りあげなければならないものであったが、それができぬままの刊行になってしまった。お許しいただきたい。

あとがき
〔303-304頁〕
……前略……
そのほか、不本意なことを思い出すときりがない。文学教育に限ってみても、益田勝実氏や西郷竹彦氏についての論述は不十分であるし、「まえがき」にも記したが、熊谷孝氏や文学教育研究者集団の業績については、ついにとりあげることができなかった。それらの業績が、戦後国語教育史上きわめて重要な意味を持つものであることを記し、さらに、他日を期すことを約することで、お許しを乞いたいと思う。
……後略……

[参考]戦後文学教育問題史略年表
〔300-301頁〕
(以下の項目が含まれている)
1951(昭26).5 熊谷孝『文学序章』(磯部書房)
1956(昭31).11 熊谷孝『文学教育』(国土社)
1970(昭45).6 熊谷孝『文体づくりの国語教育』(三省堂)
1976(昭51).12 荒川有史『文学教育論』(三省堂)
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