「新婦人新聞」(2005/01/20)

  『エーミールと探偵たち』『点子ちゃんとアントン』…などで知られるドイツの作家エーリッヒ・ケストナーの生誕100年(1999年)を経て、その魅力を語録、作品、年譜などの関係資料をもとに深めた書。ナチスが支配するドイツで、その作品は販売はもちろん、図書館の閲覧も、文章を書くことも禁じられたなか、「時代の目撃者」となるため、亡命しなかったというケストナーはまた、戦後、核兵器に反対する運動にも参加したという。愉快な作品のそんな背景を知ると、改めてまた、作品(巻末に邦訳や関連本一覧)を読んでみたいと思う。


『ケストナー文学への探検地図』紹介書評目次