初期機関誌から

文学と教育 第31号
1963年12月20日発行
 “私の大学”文教研版 

 いま、文教研の有志で、西鶴と太宰治のゼミをやっている。文教研の実践部会・理論部会を第一、第二土曜にやっているが、それ以外の土曜を全部“私の大学”にあてているわけだ。
 三時頃からはじまる。八時ごろあらわれる人もいる。十二時ごろに帰る人もいる。文教研の事務所をフルに生かしたゼミである。 十二月二十日現在で、『万の文反古』を巻二までやった。太宰は『葉』をやっている。
 西鶴はおいつめられない時点でしごとをしながら、傍観者に流れていない。太宰は、距離のないところで距離をつくりだしている。――等々の指摘がだされると、みんなウーンとうなりながら、めいめいの思考のゆがみや未熟さを思いしらされる。

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