文学と教育 ミニ事典
  
概 念 
 〈概念〉ということですが、事物認識の目的に適(かな)うように組織された観念のことです。また、その意味での思考の形式のことをさしております。(…)
 大事なのは、単に 言葉ではなくて概念です。
 そこで、わたしの言いたいことは次のようなことです。言葉づらにかかずらって、この言葉は何を意味するや、というようなことのセンサクに明け暮れるより、その言葉を使うことの有効さを生かし、またその言葉を使うことから生じるマイナスに制止をかける、という言葉操作のしかたをくふうすることが必要なのではないか、ということなのです。言い換えれば、概念をたえず有効な概念に組み替えてその言葉を使う、ということです。
〔1973年、熊谷孝著『芸術の論理』p.164-165〕



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