文学と教育 ミニ事典
  
文学教育の目的
 文学教育の目的というか、課題は全的に子どもたちの未来に向けられているわけです。要は、かれらが二十歳になり三十歳になったときにどういう人間になっているか、ということなのです。“文学の眼”による“成人の沈潜”――そのことが可能であるような人間(成人)を将来に期待しつつ、その方向へむけてレールを用意する格好で、かれらの感情の素地(人生への構え)をつちかう作業を組むのが文学教育です。現在形における(おとなの眼からみての)“いい子”や“ものわかりのいい子”をマス・プロするのは、文学教育の仕事ではありません。
 いわんや、いま、この 教室で、この 作品の主題を要領よくまとめることができたとか、主人公の気持ちをうまく説明できた、というようなことで生徒を評価し、万事O・Kというふうに考えたとしたら、“文学教育”は即刻その場から姿を消し去るでありましょう。
〔1970年、文教研著『中学校の文学教材研究と授業過程』p.18〕
   

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