今年で9回目を迎える文教研秋季集会が11月25日(日)午後、東京・世田谷の梅丘パークホールで開かれました。〈自立した市民とは何か『エーミールと探偵たち』のその後という統一テーマのもとに、ケストナー『エーミールと三人のふたご』の検討を行いました。
 5時間にわたるゼミナールに参加した方々から、アンケートに応えて多くの感想が寄せられました。その中のいくつかを、ご本人の了解を得てご紹介します。(なお、本文に一部省略など多少の変更を加えさせていただいたところがあります。)  -2001.12.11-
   

                                                           
                    

現代とケストナーが生きた時代をすりあわせたところで、より自分の生活の中にこの物語を近づけることができた気がします。相手を思いやること、犠牲をはらうこと、相手が幸せになること。自分のことで精一杯な自分を反省します。もう一度、家でゆっくり読み返そうと思います。〔I さん〕 

秋季集会『エーミールと〜』、とても楽しいひとときでした。ありがとうございました。個人的にはエーミールのおばあさんが好きで、私もあんな風な女性になれたら……と思いました。また、訳者によって、文体がずいぶん変わってくることにもあらためて考えさせられ、翻訳の難しさを感じると同時に、同じ作品をいろんな訳者を通じて読んでみるのも面白いな、と思いました。次回の集会では、どのような“発見”に出会えるか、今からワクワクしています。ぜひまた、お誘いください。よろしくお願いします。〔H さん〕

昨年に引き続き、2回目の参加となりました。今回もケストナーのエーミールのシリーズが取り上げられましたが、前回の『エーミールと探偵たち』が、“児童劇団の大捕物”の印象だったのに比べ、今回の作品は夏休み期間中の出来事を通して、エーミールが“問題解決能力”を身につけていく様がいきいきと描かれており、熱中して読みました。
 社会に出て、人間関係やら、仕事のことやら、問題にガンガンぶつかって、毎日へこむことが多いですが、それを自分なりにどう解決していくか、他人に答えを聞くのではなしに自分で解決していく姿勢を子ども時代に身につけることの大切さをつくづく感じます。〔S2さん〕
 

年も参加させていただくことができて、とてもうれしかったです。いつもたくさんの心のお土産をいただくばかりで、何も発言できず申し訳なく思っておりますが、今は吸収するだけで精一杯な私です。
 ケストナー作品と出会えたのは、数年前の秋季集会でした。今回の作品も読んで大好きになり、チューターの方の提案や話題提供もとても興味深く拝聴しました。
 いろいろな御意見をうかがう中で、自立した子どもと自立した大人との、違いと共通点について考えさせられました。また、自分のことを考えると、ただ混乱してしまうばかりのことも、自分以外のことを考えることで明確な道を見つける手立てになること、そしてそれもひいては自分のためなのだと考えました。自立した市民になるために、自分に何ができるのかを考えなくてはと、考えさせていただく貴重な機会とさせていただきました。ありがとうございました。〔O さん〕


エーミールが死ぬまで黙って「たったひとつのごほうび」を選択することを覚悟する場面が最も印象的だった。自己主張ばかりがはびこる中に日々居ると、こういう諦念(いい意味でのあきらめ)、観念することの大事さを強く感じる。〔S1さん〕

昨年に引き続き、2回目の参加となりました。今回もケストナーのエーミールのシリーズが取り上げられましたが、前回の『エーミールと探偵たち』が、“児童劇団の大捕物”の印象だったのに比べ、今回の作品は夏休み期間中の出来事を通して、エーミールが“問題解決能力”を身につけていく様がいきいきと描かれており、熱中して読みました。
 社会に出て、人間関係やら、仕事のことやら、問題にガンガンぶつかって、毎日へこむことが多いですが、それを自分なりにどう解決していくか、他人に答えを聞くのではなしに自分で解決していく姿勢を子ども時代に身につけることの大切さをつくづく感じます。〔S2さん〕
 
 

トピックス秋季集会秋季集会の歩み全国集会の歩み機関誌「文学と教育」