作家コーナー ■ケストナー (Erich Kaestner  1899.2.23-1974.7.29)

ケストナー文学への言及
旅する絵本 
(「朝日新聞」2007.9.27夕刊)

   未知の世界、大好き!
   洞口 依子さん/「動物会議」

 

 女優として独特の存在感を放つ洞口依子さん。
 …略…
 異国にあこがれた洞口さんが子どもの頃から愛する絵本は『動物会議』(E.ケストナー文・W.トリアー絵、池田香代子訳、岩波書店・2625円)。いつまでも争いを繰り返す人間たちに地球はまかせておけないと、動物たちが集まって会議を開く。二度と戦争や食糧危機が起らないよう、子どもたちを守るために……。
 「世界中にいる動物たちが飛行機や船を乗り継いで動物ビルに集まるの。最後にミミズが遅れてきちゃう(笑い)。見たこともない風景や動物、少数民族の子どもたちが描かれていて、大好きな世界です!」
 成長するにつれて、絵だけでなく物語への感動も深まった。
 「いろんな動物たちが話し合って子どもたちを救う。地球を救う。戦争中、ナチスに迫害を受けた作者のケストナーの夢なのかなぁ。子どもに読んでもらって、未来の政治家になってほしい」
 (フリーライター・中島久美子/撮影・和田久士)


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