秋季集会参加者の声

 2007年文教研秋季集会が11月11日(日)午後、東京・世田谷・梅丘パークホールで開かれました。「美しいものを、美しいままに――ケストナー『一杯の珈琲から』を読み合う」という統一テーマのもとに、『一杯の珈琲から』(創元推理文庫)の検討を行いました。終了後参加者の方々にお願いしたアンケートの中から、集会に対する感想のいくつかご紹介します。 (2007.11.20)

なにかつかみどころがない気分で読んでいたお話に、一つの方向性を与えられたような気がしています。
「ケストナーとモーツァルト」、新しい宿題ができました。でも、ドイツやオーストリアの古いものを知らない私には解けない宿題かも知れません。
思いがけずモーツァルトとベートーベンを聴けたのも嬉しかったです。ここ数年、古〜い音楽にかたよっていて、こんな「新しい音楽」とは縁遠くなっていますので。
いつものことながら皆さんの下調べ(?)のすごさに舌を巻いています。(M.A.さん、 女性)

○ 休み時間に、ベートーベンの「ハ長調ミサ」をかけてくださり、ありがとうございました。健康的で明朗な力強い曲でした。
作品理解が深まると共に、ケストナーの愛好する音楽・精神性に触れることができたように思えます。作中に出てきたモーツァルトの交響曲や協奏曲も聴いてみようと思います。

○ 伯爵さんは劇作家として、演者としては力不足だったかもしれませんが、実人生で自分を生きている時は、ビシッときめていて恰好いいですよね。
「希求法とは何か?」とゲオルクに問いかけ、「ひとにむかって幸福を祈る場合の形ですよ」という見事な解答、人間味にあふれた解釈を受けて、瞬時に人間として共感し、信頼を寄せ、「まあ、どうか、きみたちは幸福になってくれたまえ!」 「今のが希求法だったんだね?」と婚約を受諾する。これが演劇だったら、ゲオルクの助演を借りた鮮やかな名演だと思います。
舞台から離れて、演じることを離れて、初めて名優であるというのが面白いです。

○ 全然読めてませんでした。恥ずかしかったです。(K.N.さん、 男性)
(婚約式の席でコンスタンツェの妹ミッチーが吟誦したシルレルの長詩)「鐘の歌」だけで5時間もつと思いました。
毎年、話が難しくて7割ぐらいは分らないのですが、次回も出席させていただきたいと思います。(N.T.さん、 男性)
 S先生のゲオルクとは聖人の名前ですね、という発言を受けて、突然エチオピアに St.George というビールがあることを思い出しました。ラベルには白馬に乗り剣を持つ聖ジョージが描かれたものです。
エチオピアでもビールのラベルになるほど人気の St.George 。家に帰ってどんな人物か調べてみようと思います。
今日はありがとうございました。(S.N.さん、 女性)

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