文教研 【私の大学】
第65回全国集会



文学史を教師の手に
 “文学教師”――それは、自身に文学を必要とし、また、文学の人間回復の機能に賭けて、若い世代の“魂の技師”たろうとする人々のことである。そういう人々の中には、当然、学校教師もいるだろう。当然また、人の子の親や、兄や姉もいるだろう。限界状況の一歩手前まで追い込まれた、日本の社会と教育の現状は、今、まさにそうした人々の文学教育への積極的な参加を求めている。
文学教育研究者集団
 

  岐路に立つ文学教育
 
――「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎)と「朽助のいる谷間(井伏鱒二)
 《期 日》 2016年8月5日(金)〜7日(日)
 《会 場》
八王子セミナーハウス 大学院セミナー室 (東京・八王子)

 

いま、日本は大きな岐路に立っている。一つは、3月の平和安全法制(戦争法)の施行だ。日本の自衛隊が海外の戦争にかけつけ、殺し、殺される事態がいつ起きてもおかしくない。憲法9条がまさに無きものにされた。しかし、この事態のなかで、かつてないほどの多くの市民、国民がたちあがっている。とくに若い世代は、いままでにない語り口で「民主主義ってなんだ」「戦争法を本当に止める」と街頭から発信した。SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)だ。日付と名前をいれて「私は」「ぼくは」と一人称で語る。自分の発言に責任をもつ、自分も変化するという前提で話す。そのSEALDsの「選書プロジェクト基本図書15冊」のなかに『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)がある。1937年に刊行されたこの本が時代を超えて現代の若者の心に響いている。読み直してみた。中学生のコペル君が叔父さんとの対話のなかで自己凝視し、成長する物語だ。自分中心でなく、自分を人間関係の網の目のなかに位置づける。対話の相手もその網の目のなかの個人として尊敬する。そこにこそ、ほんとうの対話が成立する。いま、国語教育は、どう伝えるかのhow-toにやっきになっているように思う。大事なのは、何をどう伝えるかということ、いや、何をどう伝え合うかということ。文学教育の課題だ。1920年代の最後の年に発表された「朽助のいる谷間」(井伏鱒二)とともに、考えたい。


  《日 程》
      8月5日(金) 8月6日(土) 8月7日(日)
午前
9:30









12:00








12時50分までに受付を済ませてください。)


* 「原爆を許すまじ」

中間総括


3.ゼミナール
  
  
吉野源三郎
   「君たちはどう生きるか」 
         

中間総括


4.ゼミナール
  
井伏鱒二「朽助のいる谷間」



午後   1:00











5:00
(予定)
午後1時開会

1.あいさつ



2.基調報告
  
  
文学教育と道徳教育
 
          井筒満
                      



* 生活案内

ゼミナールの続き)

ゼミナールの続き)








5.あいさつ


午後4時終了予定

7:00





9:00
(予定)

交流会(参加自由)



ゼミナールの続き)

  
 《テキスト》
吉野源三郎 『君たちはどう生きるか』 (岩波文庫)
井伏鱒二 『夜ふけと梅の花』 (講談社文芸文庫)所収 「朽助のいる谷間」
  
  (※新潮文庫 『山椒魚』所収の「朽助のいる谷間」は、本文に大きな違いがあるため、
   今回のテキストとしては利用しません。)

 《参考文献》
@ 熊谷孝著 『井伏鱒二 〈講演と対談〉』 (鳩の森書房/1978)
A 佐藤嗣男著 『井伏鱒二 山椒魚と蛙の世界』 (武蔵野書房/1994)
B 文学教育研究者集団著 『井伏文学手帖』 (みずち書房/1984)
C 『文学と教育』 181「井伏鱒二生誕百年記念号」 (こうち書房)
  
 《費 用》
@参加費:(資料代、連絡・広報・運営費、大学院セミナー室使用料・施設分担金を含む)
全日参加…13,000円 (学生 10,000円)
2日間参加…10,000円 (学生 8,000円)
1日のみ参加…5,000円 (学生 4,000円)
    ※資料のみの場合:2,000円 
A宿泊費1泊 4,110円 
B食事代朝食 510円、昼食720円、夕食 1,130円
(全日参加の場合 2泊3日A+B:6食分…12,940円)
     
※宿泊施設には基本的にバスタオルとフェイスタオルしか用意されていません。寝間着や歯ブラシなどはご持参ください。(フロントにて浴衣205円で貸出し、歯ブラシ20円で購入も可能。) 
   
《申込み手続き》
申込み用紙(振込用紙を兼ねる。プログラム等に添付してお配りしています)に必要な事項を記入し、費用全額@参加費+A宿泊費+B食事代)を郵便局でお振込みください。
  
※申込み用紙がお手元にない場合は、事務局(下記)までご請求ください。
※参加中止の場合、宿泊費・食事代に関しては、条件に応じてセミナーハウスから請求されるキャンセル料金をいただき、残りを返金いたします。
  
 《申込み期間》  6月1日〜7月25日
  
 《問い合わせ および申込み先》
文教研事務局(画像)
  
 《交 通》
JR中央線 新宿――八王子(約40分)
JR横浜線 新横浜――八王子(約50分)
  ・JR八王子駅南口より京王バス
     @番のりば 南大沢方面行(約20分)、野猿峠(やえんとうげ)バス停下車、徒歩約8分
   ・タクシー(約10分)  
京王線 新宿――北野(約40分) ※特急・準特急・急行など、すべて利用可能。 
  ・京王線北野駅北口より京王バス
     B番のりば 南大沢方面行(約10分)、野猿峠バス停下車、徒歩約8分
     (チラシ記載の「@番のりば」は誤りにつき訂正します。)
   ・タクシー (約5分)
京王相模原線 南大沢駅
     ・京王バス
       C番のりば 八王子駅方面行(約20分)、野猿峠バス停下車、徒歩約8分
     ・タクシー (約15分)
・ 第1日午後1時開始のためには、バス便の点などからみて、JR八王子駅の場合遅くとも午後0時までに到着する必要があります(北野駅の場合はそれより多少遅めでも可)。
・ 受付での手続きは開会10分前(12時50分)までにすませてください。受付の係も研究会に参加しますので。

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