文教研【私の大学】
第63回全国集会



文学史を教師の手に
 “文学教師”――それは、自身に文学を必要とし、また、文学の人間回復の機能に賭けて、若い世代の“魂の技師”たろうとする人々のことである。そういう人々の中には、当然、学校教師もいるだろう。当然また、人の子の親や、兄や姉もいるだろう。限界状況の一歩手前まで追い込まれた、日本の社会と教育の現状は、今、まさにそうした人々の文学教育への積極的な参加を求めている。
文学教育研究者集団
 
 《統一テーマ》
  飼いならされないために
  対話の回復と喜劇精神
 ――井上ひさしと森鷗外
 《期 日》 2014年8月5日(火)~7日(木)
 《会 場》
大学セミナー・ハウス 大学院セミナー館 (東京・八王子)

  今、世の中の動きに不安を感じている人がたくさんいるのではなかろうか。それは首相の進めようとしている「積極的平和主義」が、戦争の惨禍を二度と繰り返さないと誓った戦後の平和憲法の精神から大きくはずれているからである。そうした中で朝日新聞の声欄に次のような投稿が載った。

 「憲法九条がノーベル平和賞の候補になったと聞き、思わず『ヤッター!』と叫びました。もしも、憲法九条が日本国民とともにノーベル平和賞を受けたら、世界中の紛争地に、水戸黄門様の印籠のように『控えおろう。この憲法九条が目に入らぬか』と示したいですね。『何が起ころうとも武力では解決しない』という日本国憲法の精神を世界に示す機会が奪われることがないよう願ってやみません。憲法九条は、この地球の希望の『ひかり』そのものだからです」と。これは「『憲法九条にノーベル平和賞を』と、その実行委員会の推薦に対して、ノルウェーのノーベル委員会からの回答」に賛意を示した投書である。

 後に実行委員会の記者会見の場で「もし受賞した際は誰に式に出席してほしいか」と聞かれた時、「日本国民の代表として首相に喜んで行ってほしい」と答えた。

 これはなんと愉快な会話ではないか。もし憲法九条がノーベル平和賞に決まり、日本国民の代表として首相が授与式に参列するとなれば、日本国民はいうに及ばず世界中の人々にとっても記念すべき行事になるであろう。ただ首相が堂々と「はだかの王様」を演じることを引き受けるかどうかだが。

 この受賞で世界にすぐ平和が訪れるとは思えないが、地球に生きる人々が決して武力で問題を解決するのではなく、お互いの立場や価値観を越えて、真摯に相手の話を聴き粘り強く対話を重ねることの大切さを再認識してくれるにちがいない。そしてそれに向けての不断の努力を確認し合うことの意義は大きい。

 私たち文教研は現代史としての文学史という発想で、異端の系譜に立つ鷗外、芥川、井伏、太宰に学びながら、今、新たに井上ひさしを加えてささやかだが持続的に、文学の視点から現代史の課題を追求している。そこで以上に述べてきた課題に添う形で、今次集会のテーマは「飼い馴らされないために 対話の回復と喜劇精神」とした。そのことはとりもなおさず、私たちの日常ごくありふれた生活の次元でのことばと対話のあり方を鍛えていくことでもある。

 今年も昨年と同じく森鷗外と井上ひさしの作品を読むことになる。集会当日は充実した話し合いを通して、アイロニーに溢れた批評としての「喜劇精神」を追求していきたい。



  《日 程》
      8月5日(火) 8月6日(水) 8月7日(木)
午前
9:30









12:00









12時50分までに受付を済ませてください。)


* 「原爆を許すまじ」

中間総括


3.ゼミナール
  
井上ひさし「紙屋町さくらホテル」          

中間総括


4.ゼミナール
  
森鷗外「寒山拾得」



午後   

1:00











5:00
(予定)
午後1時開会
1.あいさつ



2.基調報告
  
井上ひさしと森鷗外
           佐藤嗣男
           井筒 満




* 生活案内

ゼミナールの続き)

ゼミナール
の続き)









5.あいさつ


午後4時終了予定

7:00





9:00
(予定)

交流会(参加自由)



ゼミナールの続き)

  
 《テキスト》
基本テキストは井上ひさし「紙屋町さくらホテル」 ( 新潮社『井上ひさし全芝居  その六』 定価5,168円 )ですが、単行本・井上ひさし『紙屋町さくらホテル』(小学館)を含め、たいていの地域図書館で借りることができます。事前にお目通しください。入手困難な方は、事務局までご相談ください。森鷗外「寒山拾得」はお手持ちのテキストでお目通しください。

 《参考文献》
① 佐藤嗣男「井上ひさしと森鷗外」(『文学と教育』 №218-219)/「森鷗外、太宰治、そして井上ひさし」(『文学と教育』 №217)/「井上ひさしと太宰治」(『文学と教育』№215)
② 『文学と教育』 №213~219の井上ひさし関連論文
③ 熊谷孝『太宰治―「右大臣実朝」試論』(みずち書房 1987)
  
 《費 用》
①参加費:(資料代、連絡・広報・運営費、大学院セミナー館使用料・施設分担金を含む)
全日参加…13,000円(学生 10,000円)
2日間参加…10,000円(学生 8,000円)
1日のみ参加…5,000円(学生 4,000円)
    ※資料のみの場合:2,000円 
②宿泊費1泊 4,000円 
③食事代朝食 500円、昼食700円、夕食 1,100円
(②+③2泊3日、6食分の場合…12,600円)
     
※宿泊施設には基本的にバスタオルとフェイスタオルしか用意されていません。寝間着や歯ブラシなどはご持参ください。(フロントにて浴衣205円で貸出し、歯ブラシ20円で購入可能。) 
《申込み手続き》
申込み用紙(振込用紙を兼ねる。プログラム等に添付してお配りしています)に必要な事項を記入し、費用全額①参加費+②宿泊費+③食事代)を郵便局でお振込みください。
  
※申込み用紙がお手元にない場合は、事務局(下記)までご請求ください。
※参加中止の場合、宿泊費・食事代に関しては、条件に応じてセミナーハウス請求のキャンセル料金をいただき、残りを返金いたします。
  
 《申込み期間》  6月1日~7月25日
  
 《問い合わせ および申込み先》
文教研事務局(画像)
  
 《交 通》
JR中央線 新宿――八王子(約40分)
JR横浜線 新横浜――八王子(約50分)
  ・JR八王子駅南口より京王バス
     ①番のりば 南大沢方面行(約20分)、野猿峠バス停下車、徒歩約8分
   ・タクシー(約10分)  
京王線 新宿――北野(約40分)  ※2013年2月より北野駅に特急停車
  ・北野駅北口より京王バス
     ③番のりば 南大沢方面行(約10分)、野猿峠バス停下車、徒歩約8分
     (チラシ記載の「①番のりば」は誤りにつき訂正します。)
   ・タクシー (約5分)
京王相模原線 南大沢駅
     ・京王バス
       ④番のりば 八王子駅方面行(約20分)、野猿峠バス停下車、徒歩約8分
     ・タクシー (約15分)
・ 第1日午後1時開始のためには、バス便や受付時間の点などからみて、JR八王子駅に遅くとも12時までに到着する必要があります(北野駅の場合はそれより多少遅めでも可)。
・ 受付での手続きは開会10分前(12時50分)までに済ませてください(受付の係も研究会に参加しますので)。

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