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文教研

[私の大学]
第58回
全国集会



2009.8.5〜7
文学史を教師の手に
“文学教師”――それは、自身に文学を必要とし、また、文学の人間回復の機能に賭けて、若い世代の“魂の技師”たろうとする人々のことである。そういう人々の中には、当然、学校教師もいるだろう。当然また、人の子の親や、兄や姉もいるだろう。限界状況の一歩手前まで追い込まれた、日本の社会と教育の現状は、今、まさにそうした人々の文学教育への積極的な参加を求めている。

文学教育研究者集団    
文教研[私の大学]第58回全国集会

《期    日》  2009年8月5日(水)〜7日(金)    
《会    場》  大学セミナー・ハウス 大学院セミナー館  (東京・八王子)   

《統一テーマ》  〈私〉の中の〈私たち〉を考える――有吉佐和子「ぷえるとりこ日記」と太宰治「燈籠」を読む

 有吉佐和子さんは、次のように語っています。「作家は孤独ではない。自分の創作過程を振り返ってみたとき、読者と心を通い合わせ、読者に励まされながら作品を書いていることを実感した。私は、自分の仕事を通して成長しようと強く思っている……」
 有吉さんがここで、自分の仕事を支えてくれた読者(=内なる読者・仲間)について語っていることは、小説家だけの特殊な体験ということではなく、真の自己凝視とは何かを考えるうえで重要な指摘だと思います。自分を見つめることは、同時に自分の中に内なる他者を発見することなのです。そして、その内なる他者(=〈私〉の中の〈私たち〉)が、自分を支え、励ましてくれるような仲間として対話の場を形成しているとき、自分の姿を正面から見つめ、内なる仲間たちとともに、今までの自分を乗り越えていく実践へと踏み出していくことが可能になるのだと思います。そこにあるのは、内なる仲間たちと自分が、共通の課題を前にして、肩を並べて立ち、互いに協力し相談しながら歩んでいくという関係です。この関係を、心理学者の中川作一さんは「三者関係」と名づけています。
 ところで、私たちが生きている今日の社会で支配的なのは、「三者関係」を破壊し、足の引っ張り合いの中で一人一人を孤立させていこうとする管理主義・競争主義です。したがって、こうした疎外された周囲の人間関係を「三者関係」に変え、その陣地を広げていくという地道な実践なしには、私たちの内面に「三者関係」を創りだし発展させていくことはできないでしょう。また、私たち一人一人が、内なる「三者関係」における真剣な対話を通して、自己の果たすべき本当の役割を発見し実践していくことなしには、周囲の人間関係を変革していくこともできないでしょう。
 いま、私たちが必要としているのは、私たちの内外に「三者関係」を創りだしていく実践であり、その実践を支え励ましてくれる文学なのではないでしょうか。今回は、このような視点から、上記のに作品を読んでいきたいと思います。


 
  《日   程》
      8月5日 8月6日 8月7日
午前 9:30







12:00







午後1時開会
(12時50分までに受付を済ませてください。)
  
・「原爆を許すまじ」

中間総括


(ゼミナール続き)
           






中間総括


4.基調報告U
太宰文学再発見
―〈私の中の私たちの組みかえ〉
佐藤嗣男


5.ゼミナール:太宰治「燈籠」
チューター 佐藤嗣男










6.あいさつ 

(4時終了予定)






午後 1:00














5:00
(予定)
1.あいさつ   


2.基調報告T
いま、なぜ有吉文学か
―「非色」・「海暗」をめぐって 
井筒 満



3.ゼミナール:
有吉佐和子「ぷえるとりこ日記」
チューター 井筒満



・生活案内

  
7:00


9:00
(予定)
「ウェストサイド・ストーリー」DVD鑑賞会 (参加自由) 
交流会(参加自由)   
  
  
 《 テキスト 》
有吉佐和子『ぷえるとりこ日記』(岩波文庫)
太宰治『燈籠』は、当日、共通テキストを用意いたしますが、なるべく事前に、お持ちのものでお目通しください。
  
 《参考文献》
○熊谷孝著『太宰 治』(みずち書房)
○文学教育研究者集団編著・熊谷孝編『太宰文学手帖』(みずち書房)
○中川作一「自己像と平和――民主主義とファシズムのちがい」(心理学研究会編『新 かたりあう青年心理学』 青木書店)
  
 《費   用》
@参加費:(資料代、連絡・広報・運営費、会場使用料、施設分担金を含む)
全日参加…\13,000(学生\10,000)
 2日間参加…\10,000(学生\ 8,000)
 1日のみ参加…\ 5,000(学生\ 4,000)
A宿泊費:1泊 \5,200 
B食事代:朝食 \500、昼食 \700、夕食 \1,100
(A+B2泊3日、6食分の場合…\15,000 )
◎宿泊施設には基本的にバスタオルとフェイスタオルしか用意されていません。(フロントにて浴衣200円で貸出し、歯ブラシ50円で購入可能。) 
※資料のみ:\2,000
  
 《申込み手続き》
申込み用紙(振替用紙を兼ねる。プログラム等に添付してお配りしています。)に必要な事項を記入し、費用全額@参加費+A宿泊費+B食事代)を郵便局でお振込みください。
  
※申込用紙がお手元にない場合は、事務局(下記)までご請求ください。
※7月1日以降の参加中止の場合、参加費の返金はご容赦ください。(集会資料はお送りいたします。)宿泊費・食事代に関しては、条件に応じて、セミナーハウス請求のキャンセル料金をいただき、残りを返金いたします。
  
 《申込み期間》  6月1日〜7月24日
  
 《問い合わせおよび申込み先》
文教研事務局(画像)
  
 《交   通》
・新宿〈京王線 準特急40分〉-北野〈北口から京王バス 約8分〉-野猿峠(やえんとうげ)〈徒歩5分〉-会場
・新宿〈京王線 特急37分〉-京王八王子〈 徒歩約10分〉-八王子〈南口から京王バス 約20分〉-野猿峠〈徒歩5分〉-会場
・新宿〈JR中央線 約50分〉-八王子〈南口から京王バス 約20分〉-野猿峠〈徒歩5分〉-会場
・新横浜〈JR横浜線 約50分〉-八王子〈南口から京王バス 約20分〉-野猿峠〈徒歩5分〉-会場
  
※京王線利用の場合準特急に乗り北野駅で下車するのが便利。新宿から約40分。
※京王線特急を利用する場合は、高幡不動駅で各駅停車に乗り換え北野駅で下車。新宿から約40分。
八王子駅南口北野駅からの京王バスは、「柚木折返場」あるいは「南大沢団地」行に乗車。「野猿峠」下車。
※八王子駅南口、北野駅のいずれからも、タクシー利用可。
※ほかに、京王相模原線南大沢駅から「八王子駅南口」「北野駅南口/北口」行の京王バスを利用する方法もあります。  
 
・ 第1日午後1時開始のためには、バス便や受付時間の点などからみて、JR八王子駅に遅くとも12時までに到着する必要があります(北野駅の場合はそれより多少遅めでも可)。
・ 受付での手続きは開会10分前(12時50分)までに済ませてください。受付の係も研究会に参加しますので。

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